こちらの記事では
- 早食いをやめるだけで痩せたってホント?
- 早食いをやめるためにはどうするべき?
といった疑問について解説しています。
早食いは健康に悪いという知識は誰もがなんとなくは知っているものですが、その実際の影響については「大した違いはないだろう」と考える方は多いかと思います。
しかし、早食いの習慣をやめた人の中には「早食いをやめるだけでダイエット効果があった」と話す人は珍しくありません。
「食べるスピードで食べ物のカロリーは変わらないでしょ?」
「早食いなのに痩せてる人もいるじゃん!」
という意見はもっともですが、実際、厚生労働省が成人の男女6,488人に対して行った調査では、肥満体型の人ほど食べるのが速いという統計が取れています。
以下の画像は、痩せ・普通・肥満それぞれの体系の男女が、自身の食べる速さについて速い・普通・遅いの内から当てはまるものを選んだ結果をグラフ化したものになります。
男性
女性
上記画像を見ればわかる通り、肥満体型の人ほど早食いをしがちなのは紛れもない事実です。
また私自身も、ダイエットを始めてからはゆっくり食事を摂ることを心がけていましたが、その甲斐もあってか大きく痩せることができました。
下記画像は、私がダイエットを始める前と現在の体型を比較したものになります。
私の個人的な感覚としては、早食いをやめるだけで大きく痩せることは難しいですが、ゆっくり食べることは手軽な割に効果のあるダイエット方法だと感じています。
「食べる速さ次第で痩せるなんて信じられない」という方は、今回がご紹介する内容を参考に痩せやすく太りにくい食べ方を覚えてもらえればと思います。
早食いをやめたら痩せたのは食事量が減るから
まず結論を言ってしまうと、早食いをやめることがダイエットになる最大の理由は、ゆっくり食べることで結果的に食事量が減りやすいからです。
なぜなら、早食いをしている人は脳が満腹感を感じ始める前に食事を終えてしまうことが多く、時間をかけて食事をすれば実際はもっと少ない量でもしっかりと満足できることが多いからです。
食事を始めてから脳が満腹感を覚え始めるまでには最低でも約15〜20分程度の時間がかかるとされており、メインの食事をこれより短い時間で済ませている場合は改善の余地があると言えるでしょう。
もちろん、どれだけ食事に時間をかけようと食事量自体が多すぎれば意味はありません。
早食いをやめる最大のメリットというのは無意識な食べ過ぎを防ぐことにあり、食事時間を長くすること自体に大きなダイエット効果はないという点には注意が必要です。
早食いは血糖値が上がりやすい
早食いが太りやすいのは血糖値が急上昇しやすくなるのも理由の一つです。
そもそも血糖値が急上昇するとなぜ太りやすくなるのかというと、それは急上昇した血糖値を下げるために通称肥満ホルモンとも呼ばれる「インスリン」が過剰分泌されるからです。
インスリンは、食事をして血液内にエネルギー源(ぶどう糖)が多くなった時=血糖値が上昇した時に、そのエネルギーを筋肉や脂肪組織に蓄えて血糖値を下げる役割があります。
この働きは健康を維持するのに欠かせないものではありますが、早食いによる血糖値の急上昇を抑えるには、より短時間で多くのインスリンを分泌しなければなりません。
その結果、過剰に分泌されたインスリンは必要以上にエネルギーを脂肪として蓄えてしまいやすくなってしまいます。
つまり、早食いは普通の早さの食事と比較した場合、同じ食事量だったとしても血糖値の上がり方の違いからより太りやすくなる可能性があるということです。
これは食事量の差と比べればダイエットに与える影響は少ないですが、血糖値の急上昇を抑えることはどんなダイエットをする場合でもメリットばかりなので、意識しておくのに越したことはありません。
早食いをやめるコツ
いくら早食いが良くないとわかっていても、それをやめるには意識の持ち方以外の具体的な行動やルールが必要です。
なぜなら、早食いというのは子供の頃から何万回という食事を重ねた結果染みついたクセのようなものだからです。
そのような根深い習慣を正すには地道な努力が必要ですが、まずは以下から紹介するコツを参考に、簡単なものから始めてみてもらえればと思います。
一口で30回噛む
「一口を飲み込むまでに30回噛む」と決めるのは早食いをやめる上でわかりやすい一つの目安になります。
これは食事時間を長くするということ以外にも、咀嚼回数が増えることでヒスタミンと呼ばれる脳内物質が食欲を抑制する効果が期待できます。
また単純に具体的な基準があった方が意識もしやすいので、結果的に継続しやすくなります。
ちなみに、この方法は厚生労働省も公式に推奨しており、噛ミング30(カミングサンマル)という妙なキャッチフレーズまで作成されています。
一口のたびに30回数えるというのは正直かなり面倒くさいですが、別に死ぬまで続けなければいけないわけではありません。
これはあくまでよく噛むことを習慣づけるのが目的であり、実際、ある程度これを続けていたら自然と咀嚼回数は増えるので、まずは気軽に1ヶ月くらいの期間を目標に始めてみるのがオススメです。
作業をしながら食事をしない
早食いをやめるにはいわゆるながら食べをやめてみるのも効果的です。
なぜなら、何かしらの作業をしながら食事を摂るというのは、食事そのものへの意識が薄れることによって満腹感を感じにくくなってしまう場合があるからです。
これは前項の一口で30回噛むというルールを意識をしづらくなることもそうですし、何より食事というのは、味や食感だけでなく見た目や匂いなどを楽しむことによっても満足度が高くなるものです。
要はシンプルに食事に集中して楽しむべきということですが、まずは食事の際にはスマホ・PC・テレビなどから距離を置くことから始めてみるのがオススメです。
小さいスプーンを使って食べる
これはあまりにも単純で少しバカバカしくも思えるやり方ですが、小さいスプーンを使って食事を摂るのは意外と効果的です。
なぜなら、早食いの人には共通してひと口が大きいという特徴があり、それを防ぐには小さいスプーンなどを使用して強制的にひと口を小さくしてしまうのが確実で手っ取り早いからです。
初めはひと口が小さいと物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、冒頭でお話しした通り、満腹感というのは食べ物を咀嚼し飲み込んでから一定の時間が経過してからやってくるものです。
たとえひと口の量が控えめでも食べた分だけの満腹感は必ず後からやってくるので、まずは根気強く続けてみるのがオススメです。
早食いをやめやすい食べ物
早食いをやめる上では細かな工夫をするよりも、結局は食べ物の選び方の方が圧倒的に重要です。
なぜなら、前述したような方法を試そうとしても、プリンを30回噛むことは無理ですし、小さいスプーンで麺類を食べることは現実的ではないからです。
早食いをやめようという意識を持つのは良いことですが、そもそも早食いがしづらい食べ物を選んでしまえば、特別に何かを意識する必要もなく自然と早食いを治しやすいです。
そして、早食いをしづらい食品選びでは噛み応えの強さが重要になってきます。
どれだけ早食いの人でも、食べ物に噛み応えがあれば30回程度の咀嚼は自然とこなしやすく、また、ひと口の量なども自分から減らしたくなるからです。
ここからは、私が個人的にオススメする早食いを治すのに効果的な食品をいくつかご紹介します。
玄米
早食いをやめるなら、ハッキリ言って玄米以上にピッタリの食品はないと思っています。
まず前提として、早食いという毎日の習慣を治すのなら、そのための食品というのも毎日食べ続けやすい物でなければ意味がありません。
特別歯ごたえのあるオカズを1~2日頑張って用意したところで、その程度で早食いが治る可能性は限りなく低く、また歯応えだけを重視するオカズ選びなんていうのは食の楽しみが失われてしまいます。
その点、ほぼ毎日食べることが当たり前な主食を歯応えのあるものに変えるのは、食品選びの手間が軽くなる上に、玄米はごくありふれた食品なので誰でも気軽に始めやすいです。
また、玄米の歯応えのもととなる米ぬかには、白米にはないビタミン・ミネラル・食物繊維がたっぷり含まれているので、美容効果・便秘解消・腹持ちの良さなど、噛み応え以外にも様々なメリットがあります。
さらに細かいことを言うと、玄米は血糖値の上がりやすさを示す「GI値」が低いため、早食い防止&低GIという二重の効果で血糖値の急上昇を防ぐことができます。
唯一デメリットがあるとすれば、独特の風味や食感が人によっては受け付けない場合があることですが、決して値段の張る物ではないのでまずは気軽に試してみるのがオススメです。
私自身はダイエットを始めてから2年以上玄米を食べ続けていますが、プチプチとした食感にハマってからは玄米を好んで食べるようになりました。
あたりめ
早食いしづらいオヤツを選ぶならあたりめがオススメです。
あたりめは柔らかく甘いお菓子や軽い歯応えのスナック菓子などとは違い、普通の食事以上にしっかりと咀嚼しなければ飲み込めないので、意識せずとも早食いをしなくなります。
またそのシンプルな原材料の性質上、低カロリーかつ高タンパクな栄養バランスとなっているため、そもそもがダイエット向きの食品となっています。
流石に甘いお菓子の代わりとして選ぶには無理があるかもしれませんが、しょっぱいお菓子が食べたくなった時などは、スナック菓子よりもあたりめを選ぶようにすると「ついつい食べ過ぎてしまった」ということが減るかと思います。
注意点として、似たような商品でも「さきイカ」と表記されているものは食感が柔らかい上に様々な味付けで高カロリーになっているものが多いので、「あたりめ」と表記されているものを選ぶのがオススメです。
歯科専用ガム
半分裏技のようなものですが、噛み応えのあるガムを常備しておくのもオススメです。
これは決して食事代わりにガムを噛むという訳ではなく、食事前・間食にガムを噛むことによってあらかじめ満腹中枢を刺激し、食事中の早食いを防ぐという狙いです。
また、ガムは飲み込まずに噛み続けるという行為を自然と繰り返させてくれるので、早食いの人がよく噛む習慣をつけるにはピッタリの食品だと思います。
そして、そういった目的でガムを選ぶとするなら歯科専用ガムという強い噛み応えのあるガムを選ぶのがオススメです。
私はオーラルケアから販売されている歯科専用ガムをよく食べていますが、甘味料にはキシリトールのみを使用しているため、低カロリーかつ爽やかな後味は飽きずに続けやすいです。
値段が少し高め&味がなくなるのが早いのが難点ですが、シンプルに間食を控える効果なども期待できるので、ダイエットを意識するならぜひオススメしたい商品になります。
「歯科専用」となっていますが、Amazonや楽天市場でなどでも手軽に購入することが可能です。
早食いをやめれば食事量は減る
今回は主に早食いをやめるダイエット効果についてお話ししましたが、たとえ早食いをやめたとしても結果的に食事量が変わっていない場合は、大きなダイエット効果は期待できません。
しかし、個人的な感覚としては、ゆっくりと食べる習慣が身につけば食事量はほぼ間違いなく減っていくと感じています。
特に、以前の私のようにおかわりをすることが多い人には、大きなダイエット効果を発揮すると思います。
「ついつい食べ過ぎてしまう」のは満腹感の訪れを待てないのが原因であり、満腹感の訪れを待てないのは早く食べすぎることが原因です。
ゆっくり食べるというダイエットは地味で効果が現れるのも遅い方法ではありますが、ダイエットは地味でゆっくりなほど効き目があるものです。
「いきなり厳しい食事制限や運動を始める自信がない」という方は、ぜひとも早食いをやめるというシンプルでとっつきやすいダイエット方法から始めてみてはいかがでしょうか。