こちらの記事では
- 朝昼抜きダイエットのデメリットって何?
- 朝食と昼食を抜くだけで痩せるってホント?
といった疑問について解説ていします。
「朝食と昼食を抜いて夜だけは好きなものを食べる」という朝昼抜きダイエットは、分かりやすくてすぐにでも始められるダイエットなので、何かと始める方が多いやり方です。
しかし、このような極端な食生活は痩せたとしても不健康な痩せ方をするばかりか、場合によっては逆に太る可能性すらあります。
そこで今回は、1日3食以上の生活を続けながら10kg以上のダイエットに成功した私が、朝昼抜きダイエットの危険性について紹介していきます。
また下記の記事では、私自身が実際に利用して最もダイエット効果を感じたダイエット特化の宅食サービス5選について紹介しているので、ぜひ本記事とあわせてご覧ください。
朝昼食べないで夜食べると痩せるのはホント?
1日の食事を夕飯だけにするとある程度のダイエット効果が期待できるのは事実です。
なぜなら、食事の回数を減らすと自然と1日あたりの摂取カロリー量が減り、結果的に低カロリーな食生活になりやすいからです。
「朝昼を抜いてもその分だけ夕飯を多くしたら意味ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それはその通りです。
しかし、実際には3食分のカロリーを1食でまとめて摂取することはやろうと思っても難しいものです。
これは実際の食事をイメージすれば何も不思議ではないかと思います。
例えば、回転寿司の食事1回で食べられる平均的な皿数というのは10数枚程度ですが、仮にこれらの人が朝昼を抜いて夕飯に回転寿司を食べたとしても、その皿数が単純に3倍となり3、40枚を超えることはまずないですよね。
「せっかく朝昼を抜いたんだから、もう満腹だけどもっと限界まで食べよう」などと考えない限りは、20数枚程度で済ませることができるはずです。
何より、仮にもダイエットをするという意識がある人であれば、意地になって食べすぎることも少ないはずです。
つまり、朝昼を抜いて夜だけ食べることによって痩せるのは、単純に摂取カロリーが抑えられることが理由であり、何も特別な作用が働いているわけではないということです。
朝昼を抜いても痩せないこともある
繰り返しになりますが、朝昼ダイエットで痩せることができるのは摂取カロリーが抑えられた場合のみです。
なので、例え1日の食事が夕食だけの場合でも、選ぶ食品の種類によっては痩せるどころか太る可能性もあります。
特に少ない量でもカロリーが高くなりがちな脂質の多い食品などは注意が必要です。
また、当然ですがお菓子やジュースなどの間食をすることは厳禁です。
オヤツと言えば軽く聞こえてしまいますが、イメージと実際のカロリー量は全く関係ありません。
「ジュースは飲み物だから」というような考え方は特に危険で、むしろジュースのようなお手軽かつ効率的にカロリーを取れてしまう食品こそがダイエットの最大の敵です。
朝昼抜きダイエットは決して好きな食べ物を好きなだけ食べられるダイエットではないということです。
朝昼抜きダイエットのデメリット5選
朝昼抜きダイエットは痩せること自体には効果があるとお話ししましたが、そのようなやり方では太りやすい体質になる・実生活に悪影響が出るなどのデメリットがあります。
ここからはその具体的な理由について順番に解説していきます。
血糖値の急上昇で脂肪がつきやすい
朝昼抜きダイエットというのは、空腹の状態が長時間続き血糖値が下がった状態の体で急に大量の食事をすることになるので、血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を引き起こしやすく、その結果体脂肪を蓄えやすくなってしまいます。
人の体は血糖値が上がるとインスリンというホルモンを分泌することで、上がりすぎた血糖値を下げて一定に保っているのですが、このインスリンには余った糖を脂肪に変える働きがあります。
血糖値スパイクが起こった状態ではこのインスリンが過剰に分泌され、必要以上に脂肪を溜め込んでしまうということです。
といっても、インスリンの働き自体は健康を保つのに必要不可欠なので、重要なのは血糖値を乱高下させないということです。
そのためには長時間の空腹を避ける・一度に大量の食事をしないということを意識する必要があります。
しかし、朝昼抜きダイエットはまさに上記の2点は絶対に守れないダイエット方法なので、血糖値スパイクによるデメリットは甘んじて受け入れるしかないということです。
カタボリックが続いて筋肉が減る
朝昼の食事を抜くことによって空腹時間が長くなり過ぎると、体は糖質や脂肪だけでなく筋肉を分解してエネルギーへと変換してしまいます。
このような働きは「カタボリック」と呼ばれ、プロのボディビルダーなどはこのカタボリックを避けるために1日の食事を何食にも分けて摂っていることがほとんどです。
「ダイエットが目的だから筋肉はどうでもいい」という方もいるかもしれませんが、ダイエットをする場合でも筋肉量を維持することはとても大切です。
なぜなら、筋肉量の低下を気にしないダイエットでは、体重は減っても見た目は引き締まらないからです。
下記画像は適度な筋トレや食事制限によって筋肉質に体を引き締めた人達のビフォーアフター写真ですが、その体重はほぼ変わっていません。
体重約58kg
体重約63kg
つまり、ダイエットというのは単純な体重計の数値だけでなく、筋肉の割合をどれだけ多く維持できるかということも重要になるわけです。
また、筋肉量が多い体というのは基礎代謝が高い=日常生活の消費カロリーが多いので、シンプルに痩せやすい体であることを意味しています。
これらの点を踏まえると、例えムキムキな体を目指さない人でもなるべくカタボリックな状態は避けるべきであるということがわかるかと思います。
しかし、カタボリックを防ぐには筋肉の主な材料となるたんぱく質などをこまめに摂取する必要があるので、朝昼抜きダイエットでは防ぎようのないデメリットとなります。
栄養バランスが偏る
朝昼抜きのダイエットは我慢した分だけ夜に好きなものを食べるという点が特徴ですが、その場合はカロリーは低く抑えられても、栄養バランスの悪さが偏ってしまう可能性が高くなります。
特に1日1食という24時間の我慢の後の食事では食欲に対するブレーキも鈍くなっているため、一々細かく栄養バランスを意識できる人はごくわずかでしょう。
また、ある程度は栄養バランスを意識したメニューが組めたとしても、1度のタイミングで大量に摂取された栄養素というのは、その全てを有効活用することはできません。
例えば、たんぱく質は筋肉量を維持するのに重要な栄養素ではありますが、1食で吸収できるたんぱく質量の上限は約20〜40gと言われています。
しかし、たんぱく質は最低でも1日に50〜65g程度は摂取することが望ましいとされているため、1日1食の食生活では十分なたんぱく質を補給することが難しくなります。
つまり、朝昼抜きのダイエットではカロリー的には合格でも栄養面では様々なデメリットがあるということです。
日常生活に支障が出る
1日3食の食事が当たり前だった人が朝昼抜きダイエットのような食生活を始めると、日常生活に様々な支障をきたしやすいです。
具体的には、長時間の空腹による以下のような低血糖特有の症状が現れ始めます。
- 頭痛
- 動悸
- 目まい
- 吐き気
実際、朝昼抜きダイエットを始めた人の多くはこれらの体調不良を経験しており、「体に力が入らない」「頭がフラフラして仕事どころじゃなくなる」など、気力ではどうにもならない問題が原因で1日1食をやめることが多いです。
また、朝昼抜きダイエットのように夜に大量の食事をする場合は、食べたものを睡眠前に消化・吸収することが難しくなるため、結果的に睡眠の質が下がる可能性があります。
睡眠の質が下がると朝起きるのが辛くなる他、日中の集中力・記憶力の低下、食欲の増加などが起こり、実生活に悪影響を及ぼします。
つまり、朝昼抜きダイエットは様々な健康被害を連鎖させるきっかけになる可能性が高く、空腹感さえ我慢できれば大丈夫という訳ではないということです。
継続しにくい
ダイエットとはどんな方法を選んだとしても一定の期間を継続できなければ効果が出ないものです。
しかし、朝昼抜きダイエットはあらゆる面倒臭さが無い代わりに1日1食を守り切ることが絶対条件なので、ダイエットとしての自由度が低く、継続するのが難しい方法だと言えます。
例えば日中に食事の誘いがあったとしても「夜しか食べれないのでお断りします」と言い切る勇気が必要になりますし、休みの日に1人家でゴロゴロしてる場合でも夜までは何も口にすることが出来ません。
「我慢できないから今日だけは昼のタイミングで食べよう」なんてことをすれば、次の食事までは24時間どころか30時間以上の我慢が必要となるので、もはや挫折するのは時間の問題となるでしょう。
「ちまちま食べる方がストレスになる」という人がいるのも事実ですが、少なくともこれまでの数十年を1日3食以上で過ごしてきた人であれば、長い目で見た時に継続しやすいのは食事回数が多いダイエットの方だと思います。
どんなダイエットにもメリットとデメリットがある
今回は朝昼抜きダイエットのデメリットについてご紹介しましたが、朝昼抜きダイエットで痩せた人がいるのは事実ですし、この方法だからこそのメリットというのもあります。
食事回数が減ることは単純な時間の節約にもなりますし、細かい計算をしなくてもカロリーを抑えやすいというのは、忙しい社会人にとっては大きなメリットだと思います。
しかし、このような面倒臭さを減らすためのダイエットは健康を犠牲にします。
健康を犠牲にしたダイエットは短期間で成果を上げやすいですが、続ければ続けるほど太りやすい体を作り、また体の不調により必ず限界がやってくるものです。
その先に待っているのは、リバウンドによってダイエット前よりも太り痩せにくくなった体だけです。
そうならないためにはカロリーや栄養バランスを考えた上で最低でも1日3食をしっかりと食べ、適度な運動をする王道のダイエットを選ぶことをオススメします。
面倒臭いというデメリットを受け入れ、少しずつでも食生活や運動習慣を見直していくことが出来れば、変わったことをしなくても好きな時に好きな食べ物が食べられるようになります。
「朝昼を抜くだけのダイエットなら痩せられそう」と考えている方は、その危険性についてよく考え直してもらえればと思います。