こちらの記事では
- 揚げ物をやめるだけでダイエットになるってホント?
- ダイエット中にどうしても揚げ物が食べたいときはどうするべき?
- ダイエット中に揚げ物を食べちゃった時の対処法は?
といった疑問について解説しています。
太り気味であることが気になっている方の中には「もしかして揚げ物の食べ過ぎが原因?」と考えている方は少なくないかと思います。
揚げ物はお菓子やジュースなどと並んで太りやすい食べ物の代表例として挙げられることが多いですが、これは実際その通りで、ハッキリ言って揚げ物はダイエットの天敵です。
なぜなら、揚げ物のような脂質の高い食べ物は少ない量でもカロリーが高いため、実際の食べ応え以上に脂肪を蓄積しやすいからです。
実際、私自身は揚げ物を食べることが激減したことで−10kg以上のダイエットに成功しました。
記事トップのビフォーアフター写真は、私が揚げ物を気にせず食べていた頃と現在の体型を比較したものになります。
「揚げ物が太りやすいのは何となく分かってたけど・・・」という方は、今回ご紹介する内容を参考に、揚げ物の太りやすさや上手な付き合い方について考えてもらえればと思います。
揚げ物をやめたら痩せたのは摂取カロリーが減ったから
まず初めに、私が揚げ物をやめて痩せることができた最大の理由について結論を言ってしまうと、それは揚げ物をやめたことでシンプルに日々の摂取カロリー量が減ったからです。
「摂取カロリーを減らすだけなら揚げ物以外の食べ物をやめるのでもいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、より効率良くカロリーを抑える場合は揚げ物をやめるのが効果的です。
なぜなら、カロリーというのはその食品に含まれる三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の総量によって決まるのですが、揚げ物に多く含まれる脂質は、たんぱく質や炭水化物と比べて同じ量でも倍以上のカロリーを含んでいるからです。
下記の表は、三大栄養素それぞれ1gあたりに含まれているカロリー量を並べたものです。
三大栄養素 | 1gあたりのカロリー量 |
たんぱく質 | 4kcal |
脂質 | 9kcal |
炭水化物 | 4kcal |
「栄養素の量なんて気にしたことがない」という方でも、下記画像のようなカロリー表示は見たことがあるかと思います。
つまり、カロリーを抑えるには揚げ物のような油をたくさん使った食べ物=脂質の高い食べ物を控えるのが効率的だということです。
例えば、どこのコンビニにもレジ前の揚げ物コーナーにはほぼ間違いなくフライドチキンが並べられていますが、同じ店内にはチキンを揚げずに茹でることでヘルシーに調理したサラダチキンなども販売されています。
これらの商品の大きな違いは揚げているかいないかですが、それだけでもカロリー量には倍以上の差が出てしまいます。
商品名 | サラダチキン(スモーク) | ファミチキ |
内容量 | 110g | 80g(公称値) |
カロリー | 123kcal | 251.7kcal |
たんぱく質 | 24.5g | 12.7g |
脂質 | 2.6g | 15.7g |
炭水化物 | 0.6g | 14.8g |
仮にこれらの商品を同じカロリー分だけ食べる場合、サラダチキンなら2個以上食べられるということです。
カロリー制限をする時はどうしたって空腹との戦いになるので、同じカロリー量でも食べ応えが違うというのは大きな問題です。
このように、揚げ物のような脂質の高い食べ物を控えることは、単純に摂取カロリーを抑えるだけでなく、自然と低カロリーかつ食べ応えのある食事になりやすいというメリットがあるのも重要なポイントです。
カロリーを減らすにはとにかく油をカットする
前述した例以外にも、同じような食品でも使用する油の量によってカロリーが大きく違うということはよくあります。
例えば、カップラーメンの麺というのは大きくわけて「油揚げ麺」と「ノンフライ麺」の2種類がありますが、これらはその名の通り麺を油で揚げているかいないかという違いがあります。
当然ながら、油で揚げた麺というのは麺にまとわりついた油=脂質の分だけカロリーが上がります。
下記画像の2種類のカップ麺は、たんぱく質・炭水化物の量はほぼ同じですが、麺を油で揚げているかいないかの違いによって脂質の量に大きな差が生まれ、結果として約100kcalの違いが生まれています。
商品名 | 麺職人(ノンフライ麺) | チキンラーメン(油揚げ麺) |
内容量 | 88g | 85g |
カロリー | 291kcal | 386kcal |
たんぱく質 | 8.3g | 9.6g |
脂質 | 5.2g | 14.9g |
炭水化物 | 52.7 | 53.3g |
また、たとえ油で揚げるという調理をしていないくても、油そのものを掛けたり漬けたりしている場合は同じようにカロリー量が跳ね上がります。
私は低カロリーにたんぱく質を摂取できる手段としてほぼ毎日ツナ缶を食べていますが、ツナ缶を選ぶときは必ず水煮のものを選びます。
その理由はもちろん、オイル漬けのツナ缶は高カロリーになってしまうからであり、下記画像のような同じ会社・同じ内容量のツナ缶であっても、カロリー量には4倍近くの差が出ています。
油の有無 | ノンオイル | オイル入り |
内容量 | 70g | 70g |
カロリー | 52kcal | 203kcal |
たんぱく質 | 12g | 13.4g |
脂質 | 0.3g | 16.5g |
炭水化物 | 0.4g | 0.1g |
もちろん、脂質は健康を維持するのに欠かせない栄養素の一つなので、摂らなければ摂らないほど良いというわけではありません。
実際、私が1日の脂質の摂取量を30gに抑えていた時は、それまでに経験したことのない性欲の減退を感じるなど、明らかに体が異常を訴え出したのですぐに制限を緩めました。
重要なのは、普段から食品に含まれる栄養バランスを意識することで無意識的に摂取してしまっている脂質を減らすことです。
「見た目やイメージ的に大したことないかと思ったら物凄いカロリー量だった」という場合のほとんどの原因は脂質の多さです。
ひとまずは脂質は簡単にカロリーを高くしてしまうということさえ覚えておくだけでも、ヘルシーな食生活を送りやすくなるはずです。
ダイエット中に揚げ物が食べたい時は?
ダイエット中にどうしても揚げ物が食べたくなった時は、少しでも太りにくい揚げ物を選ぶのがオススメです。
一口に揚げ物と言っても選び方次第ではカロリー量に大きな差が出るので、せめてもの悪あがきをしましょう。
太りやすい揚げ物3選
どうしても揚げ物を食べたい時でも、以下の3種類の揚げ物は控えるのがオススメです。
スーパーの惣菜コーナーの揚げ物
スーパーの惣菜コーナーに並んでいる揚げ物はなるべく選びたくない揚げ物の一つです。
なぜなら、このような場所で作られる揚げ物はとにかく油まみれの揚げ物が多く、必要以上にカロリーを摂ってしまいやすいからです。
これは惣菜コーナーに実際に並んでいるエビフライなどをイメージすると分かりやすいかもしれません。
「大きなエビフライだと思って買ったら、中の海老がビックリするくらい細かった」という経験をしたことがある方は多いかと思います。
これは店側が製造コストを抑えるために、中の海老を細く長く加工した上で二度揚げをして衣を厚くしていることが原因ですが、これでは一般的な海老の天ぷらと比較すると脂質の量が増えるのでカロリーも無駄に高くなってしまいます。
これは海老の天ぷら以外にも唐揚げ・トンカツ・カキフライなど、売り場に並んでいるあらゆる揚げ物にも共通して言えることでしょう。
また、スーパーの惣菜は値引きされやすくついつい買い過ぎてしまいやすいなど、食べ過ぎに繋がりやすい要素が多いです。
ダイエットの息抜きとして揚げ物を楽しむのなら、ある程度ランクの高いものを選び、量より質を重視するのがオススメです。
野菜のかき揚げ
以外に高カロリーな揚げ物の代表例が野菜のかき揚げです。
名前だけを聞くと「野菜だし肉や魚の揚げ物よりカロリーが低そう」と思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
なぜなら、野菜のかき揚げは材料を細かく切って使用することで衣をつける表面積が増えるため、結果的には分厚い肉のトンカツなどよりも多くの油を吸収してしまうからです。
このような揚げ物の油っぽさのレベルというのは「給油率」という指標を用いて表されており、この率が高いほど油を吸収しやすいということになります。
給油率は主に食材の水分量・切り方・揚げ方によって決まり、揚げ方による給油率の違いについては下記の表の通りです。
揚げ方 | 衣に使用する食材 | 給油率 |
天ぷら | 水、小麦粉、卵 | 15~25% |
フライ | パン粉、小麦粉、卵 | 10~20% |
から揚げ | 小麦粉、片栗粉 | 6~8% |
素揚げ | 無し | 3~8% |
上記の表を見れば分かるとおり、天ぷらはそもそも給油率の高い揚げ方であり、かき揚げはそれに加えて表面積の増える切り方をすることから、より油を吸収しカロリーが高くなるということです。
具体的な例を挙げると、国内のうどんチェーン最大手「丸亀製麺」では、サイドメニューとして野菜のかき揚げが販売されていますが、そのカロリー量は667kcalとなっており、これは他の天ぷらメニューの約4〜5倍のカロリー量となっています。(※2023年6月時点 参考:外食カロリー.com)
これは前述したようなスーパーの惣菜コーナーに並べられている野菜のかき揚げも例外ではありません。
なので、「揚げ物が食べたいけど肉や魚は太りそうだから野菜のかき揚げで我慢しよう」なんて勘違いをしてしまうと、実際には更に余計なカロリーを摂取してしまうかもしれません。
フライドポテト
フライドポテトはかき揚げと同様に、食材を細かく切って使用することから油をまとう表面積が増えるため、カロリーが高くなります。
また、フライドポテトはどこでも売っている&手軽に食べられるため、オヤツ感覚で食べ過ぎてしまいやすいのも太りやすい原因の一つです。
しかし、何より残念なポイントは栄養素が炭水化物と脂質に偏り過ぎているという点です。
ダイエット中はカロリーを抑えるのはもちろんですが、筋肉の元となるたんぱく質をしっかりと摂取することで筋肉が減ることを予防し、カロリーを消費しやすい体を維持するのも重要です。
つまり、どうせ揚げ物を食べるのなら炭水化物と脂質ばかりのフライドポテトを食べるよりも、肉や魚を使用しているたんぱく質が豊富な揚げ物を食べる方が、筋肉のためになるという点でマシということです。
と言っても、無理に好きでもない揚げ物を食べても息抜きにならないのでは意味がないので、「揚げ物が食べたいんじゃなくて、フライドポテトが食べたいんだ」という方は、無理をせず食べてしまうのが良いでしょう。
太りにくい揚げ物の特徴
ここまで紹介した揚げ物と逆の特徴を持つ揚げ物を選べば、ある程度は太りにくいということが言えるでしょう。
具体的には
- 衣が薄い、もしくは素揚げ
- たんぱく質が豊富
の2点を守るだけでも太りやすさは大きく違ってくるはずです。
さらに言うと、肉や魚の揚げ物を選ぶときは、食材そのものの脂質にも注目できるとなお良しです。
例えば、鳥の唐揚げならもも肉よりも皮なしの胸肉、トンカツならロースカツよりヒレカツといった感じです。
ダイエット向けの宅食サービスを利用する
ダイエット中に油っぽいものが食べたいという時はダイエット向けの宅食サービスを利用するのもオススメです。
プロの料理人や管理栄養士が監修しているメニューの数々は、ダイエットを邪魔しないギリギリの量で脂質を調整しているため、適度な油っぽさを楽しみながら食事制限ができます。
あくまでもダイエット向けの宅食サービスなのでシンプルな揚げ物が出てくることはほとんどありませんが、罪悪感ゼロで食事制限を楽しみたいという場合は、これ以上の選択肢はないかと思います。
下記の記事では、私自身が実際に利用して最もダイエット向きだと感じたダイエット特化の宅食サービス5選について紹介しているので、宜しければご覧ください。
ダイエット中に揚げ物食べてしまった時
どれだけダイエットを頑張っていても、時間がない・付き合いの食事・我慢の限界など、様々な理由で揚げ物を食べてしまうことはあるかと思います。
しかし、たかが1日程度の食べ過ぎならそこまで心配する必要はありません。
なぜなら、1日だけの食事制限で体脂肪が減ったりしないのと同様に、1日の過食で見た目にわかるほどの脂肪がつくことはないからです。
中には「次の日に体重計に乗ったら1kg増えてた・・・」と落ち込んでしまう人がいますが、それは決して体脂肪が1kg増えている訳ではありません。
体重は体内の水分量によっても簡単に変動しますし、お通じの有無によっても変わります。
例えば、ほぼほぼカロリーが無いこんにゃくなどを1kg食べたとしても、便として排泄されるまでは体重は1kg増えている訳です。
つまり、ここで焦って食事制限をキツくする必要はなく、むしろ衝動的な断食などはダイエットが失敗する原因になりやすいので逆効果です。
ダイエット中に揚げ物を食べてしまったとしても基本的にやるべきことは変わらないので、長い目で見て痩せることだけに集中しましょう。
少しでも罪悪感を減らしたいという場合は、翌日の食事量を調節するか、軽い運動をする程度で十分です。
揚げ物を食べてしまった時の注意点
揚げ物を食べても心配しすぎる必要はないと話しましたが、一つだけ意識したいポイントがあります。
それは、揚げ物を食べたことをなかったことには出来ないという事実です。
なぜなら、ネット上には「揚げ物を食べても太らない方法」「揚げ物の油をなかったことにする方法」などの盛りすぎなダイエット情報が多く、そのような情報を鵜呑みにしてしまうと痩せるどころか太ってしまう可能性すらあるからです。
その内容は本当に様々なものがありますが、まともな内容のものでよく目にするのは下記の2パターンです。
- 食物繊維の多い食品を食べることで脂肪の吸収をゆるやかにする
- ビタミンB2で脂質の代謝を促進し、エネルギーに変える
これらの対処法を具体的にイメージするなら「鳥の唐揚げを食べるならレモンを絞ってキャベツと一緒に食べよう」といった感じです。
もちろん、これらの対処法には少なからず一定の効果があるのは間違いありませんが、問題なのは「これさえすれば大丈夫」という勘違いをしてしまうことです。
「揚げ物を食べ過ぎた体をリセット!」なんて言われたら思わず信じたくなってしまうのは仕方がありませんが、そんなに都合よく揚げ物のデメリットを打ち消すことはできません。
だからこそ多くのダイエットではそもそも余分な油を摂らないために脂質制限をするのであり、自然と揚げ物という選択肢は真っ先に除外されていく訳です。
私が脂質制限をしていた時は、低カロリーにたんぱく質を摂るために鶏胸肉を毎日のように調理していましたが、その際はシリコンスチーマーを使って蒸したり、オイル不要のフライパンを使って焼くなど、できる限り油を使わないよう工夫していました。
今でこそ慣れはしましたが、当時は油を使わないで調理した鶏胸肉を食べるのが苦痛で仕方なく、たまに油を使った日は「油を使うだけで別物みたいに美味しくなるなぁ」と感心したのを覚えています。
そんな風に油を敷くことさえためらいながらやっとの思いで痩せた身としては、油に浸した食べ物の太りやすさがちょっとした副菜を食べるだけでなかったことにできるというのは大袈裟にしか思えない訳です。
上記のような対処法はあくまでも当たり前の習慣としながら、気休め程度に考えておくのが無難です。
カロリー計算という単純な算数をせず、健康そうな食品の栄養素の働きだけで痩せることは出来ません。
揚げ物を食べてしまった時は、しっかりと息抜きを楽しんだ上で、再び気を引き締めてダイエットに励んでもらえればと思います。