こちらの記事では
- レトルトカレーって太りやすいの?
- レトルトカレーを食べながらダイエットすることはできる?
- レトルトカレーのカロリーが低いのはどうして?
といった疑問について解説しています。
最近のレトルトカレーは手軽なのに味も値段もクオリティの高いものばかりなのでついつい利用してしまいがちですが、そこで気になるのがレトルトカレーの太りやすさです。
「添加物が多いから普通のカレーより太りそう」「レトルト食品ってだけでなんとなく太りそう」といったイメージを持つ方は多いかと思います。
しかし、結論から言ってしまうとレトルトカレーはイメージほど太りやすい食べ物ではなく、食べ方次第ではダイエット中に楽しむこともできます。
実際、私自身が−10kgのダイエットに成功した時は、ヘルシーな工夫を加えることで太りやすさを最低限に抑えながら、レトルトカレーを食べることもありました。
下記画像は私がダイエットを始める前と成功後のビフォーアフター画像になります。
「最近太ったのはレトルトカレーが原因かも・・・」という方は、今回ご紹介する内容を参考に、レトルトカレーとの上手な付き合い方を考え直してもらえればと思います。
レトルトカレーで太る原因
レトルトカレーで太るのは主に以下のような理由が挙げられます。
- ご飯の量が多すぎる
- 付け合わせのサイドメニューやトッピングが多い
- 栄養バランスが偏る
ここで注目なのが、レトルトカレーのカロリー自体は太る原因にはなりにくいということです。
なぜなら、多くのレトルトカレーのカロリーというのは1食あたり約150kcal~300kcal程度と、それ単体で食べ過ぎになるほどのカロリーは含んでいないからです。
ボンカレーゴールド 甘口 148kcal
銀座カリー 中辛 232kcal
松屋 ごろごろチキンカレー 319kcal
上記の商品はあくまでも一例ですが、よく見る有名メーカーのレトルトカレーのカロリーはおよそ200kcal前後なので、よっぽど内容量の多いものや変わり種のカレーを選ばない限りは、気にするほどのカロリー量にはなりません。
つまり、レトルトカレーで太るか太らないかというのは食べ方による影響が大きく関係しており、レトルトカレーで太ったという人は無意識の内に太りやすい食べ方をしている可能性があります。
以下から具体的に注意すべきポイントについて順番に解説していきます。
ご飯の量が多い
まず最初に気をつけたいのがお皿に盛るご飯の量です。
カレーを食べる時はお茶碗などにご飯をよそう場合と違って分量が大雑把になりやすく、無意識の内にご飯を盛りすぎていることが多いです。
国内トップの店舗数を誇るカレーチェーン「CoCo壱番屋(ココイチ)」では、ご飯普通盛りの量を300gとしていますが、ご飯300gのカロリーは約468kcalとなっています。
仮にこの分量よりご飯の量が多いと仮定すると、200kcal前後のレトルトカレーと合わせて一皿のカロリー量は約700kcal程度と、一気に高カロリーな食事になってしまいます。
カレーに限らず、パスタやラーメンなど炭水化物がメインの料理というのは、主食の分量で太りやすさが大きく変わってしまうので、しっかりと分量を意識してお皿に盛ることが大切です。
トッピングやアレンジが高カロリー
カレーはトッピングやアレンジの種類が豊富ですが、その内容次第では一気にカロリー量が高くなってしまいます。
特に気をつけるべきなのが、揚げ物やチーズなどの油っぽい食品です。
これらはカレーに定番のトッピングメニューですが、油っぽい食品=脂質が高い食品は少ない量でもカロリーを簡単に高くしてしまいます。
例えば、下記のようなスライスチーズ1枚あたりのカロリーは約50kcal程度ですが、このカロリー量はボンカレー甘口の約1/3に相当します。
スライスチーズ1枚 48kcal
この他にもソースやケチャップなどの調味料を追加するアレンジ方法がありますが、これも分量次第では確実にカロリーを高くしてしまいます。
特に調味料の中でもマヨネーズなどの油っぽいものは、チーズと同様に脂質が高く高カロリーなので注意が必要です。
「ちょい足しするだけだから・・・」と油断していると、実際のイメージ以上にカロリーが高くなりやすいので、アレンジをする際は食品の成分表示や分量をしっかり確認することが重要です。
栄養バランスが悪い
レトルトカレーはカロリー自体はそこまで高くないものの、三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)と呼ばれる栄養素のバランス、通称「PFCバランス」が偏りがちです。
太りにくい食事を意識する上では低カロリーかつ高たんぱくなメニューを選び、カロリー量を抑えつつも筋肉量の低下を防ぐことが重要ですが、レトルトカレーは3大栄養素の中でたんぱく質の割合が最も低くなっていることが多いです。
このような食事が続けば仮に摂取カロリー量が適切だったとしても、筋肉の材料となるたんぱく質が不足することで、筋肉量が少なく基礎代謝の低い痩せにくく太りやすい体へと変化してしまいます。
下記の表は前述したレトルトカレー3種の成分表示を並べたものですが、どの商品もたんぱく質の割合が低めなことがわかります。
商品名 | ボンカレー | 銀座カリー | 松屋 |
たんぱく質 | 4g | 6.1g | 16.4g |
脂質 | 6.1g | 14.8g | 18.5g |
炭水化物 | 20.2g | 18.7g | 21.8g |
また、実際にはここにたくさんの炭水化物(ご飯)を追加したものが1食あたりの栄養バランスとなるので、その偏りはさらに大きくなります。
ご飯300g | |
カロリー | 468kcal |
たんぱく質 | 7.5g |
脂質 | 0.9g |
炭水化物 | 111.3g |
仮に銀座カリー中辛のレトルトカレーとご飯300gを合わせた場合、合計カロリーは700kcalとなりますが、その中で三大栄養素それぞれが占めるカロリーの割合は下記円グラフのようになります。
銀座カリー中辛+ご飯300g | |
カロリー | 700kcal |
たんぱく質 | 13.6g |
脂質 | 15.7g |
炭水化物 | 130g |
この場合では炭水化物の割合が70%を超えているのに対し、たんぱく質の割合は10%未満となっており、明らかなたんぱく質不足であることがわかります。
ちなみに、たんぱく質と脂質のグラム数はほぼ同じなのにカロリー量の割合に大きな差が出ているのは、脂質は他2つの栄養素と比べて1gあたり約2.25倍のカロリーを含んでいるからです。
三大栄養素1gあたりのカロリー量
- たんぱく質・・・4kcal
- 脂質・・・9kcal
- 炭水化物・・・4kcal
つまり、上記のようなメニューの場合は一見するとたんぱく質と脂質を同じボリュームで摂取しているように見えますが、カロリーに換算すると脂質の方が倍以上の摂取量になっているということです。
理想とされるPFCバランスは目的や体質によって差がありますが、厚生労働省が推奨する健康的なPFCバランスは下記の通りです。
- タンパク質・・・13~20%
- 脂質・・・20~30%
- 炭水化物・・・50~65%
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
しかし、このPFCバランスは生活習慣病の予防を目的とした指標であるため、ダイエットなどを意識する場合にはバランスを見直すのが無難です。
筋肉質で引き締まった体を目指すトレーニーなどの間では
「タンパク質:3、脂質:2、炭水化物:5」
もしくは
「タンパク質:4、脂質:2、炭水化物:4」
といったPFCバランスの食事を摂っている人が多く、私自身も基本的には高タンパク・中炭水化物・低脂質といった食事バランスを心がけることでダイエットに成功し、現在もリバウンドすることなく体型を維持できています。
レトルトカレーでダイエットする方法
レトルトカレーをダイエットに活かすにはご飯を違う食材に置き換える・高たんぱくな食材をプラスするなどして、低カロリーかつ高たんぱくな栄養バランスを整えるのがオススメです。
仮にレトルトカレーを習慣的に食べているという場合は、これらの工夫をするだけでも一定のダイエット効果が期待できます。
白米の代わりにオススメな食材
お米のカロリーをカットするにはシンプルに量を減らすことが一番ですが、少しでもボリューム感が欲しい場合は以下のような食材を利用するのがオススメです。
玄米
- カロリー量は白米とほぼ同じものの、噛みごたえがあり消化もゆっくりなので少量でも満腹感を得やすい
- 白米と比べて食物繊維やビタミンが豊富なので、米を楽しみつつ白米で不足しがちな栄養素が補える
- いわゆるダイエット食品よりも自然に取り入れやすく続けやすい
オートミール
- 水を入れてレンチンするだけで用意できるので手間がかからない
- 水を吸ってかさが増すので低カロリーなのに満足感がある
- 白米と比べて食物繊維が豊富なので、血糖値の急上昇を抑えるなどのダイエット効果がある
ブロッコリーライス
- お茶碗一杯分の量を食べても30~40kcalの超低カロリー
- カロリーを抑えながらビタミンやたんぱく質を補給できるので一石二鳥
- 冷凍保存で常備しやすく、調理もレンチンだけで済むので便利
カリフラワーライス
- ブロッコリーライスよりも更に低カロリーで、白米の約1/10程度のカロリー
- 比較的にブロッコリーライスよりもクセが少なく食べやすい
- 見た目が白米に近いので、白米と混ぜて使用すると違和感なく食べやすい
紀文の糖質ゼロ麺(平麺タイプ)
- 2人前食べても26kcalなので、罪悪感ゼロでカレーうどんが楽しめる
- 低糖質麺にありがちなこんにゃく臭さがなく食べやすい
- 調理の手間もほぼいらないので楽(一度冷凍してから解凍して使うとコシが出る)
自分に合う代替品を見つけるのが重要
これらの食品は人によって向き不向きがありますが、一度試してみて口にあえばカロリー制限の強い味方になります。
あまりに期待しすぎると「全然ご飯の代わりにならない・・・」と感じてしまうかもしれませんが、空腹が続くダイエット中にはたくさん食べれるというだけでも自然とありがたく感じるようになります。
少なくとも食べ過ぎを帳消しにするといった効果を謳う怪しいサプリやドリンクなどでは、ご飯のカロリーを無かったことには出来ないので、まずは自分に合いそうな米の代替品を探してみるのがオススメです。
レトルトカレーにおすすめの高たんぱく食材
レトルトカレーは低カロリーですがたんぱく質が不足しがちなので、高たんぱく食材をプラスしてダイエット向きの栄養バランスに整えましょう。
良質なたんぱく質を摂取することは筋肉量の維持・増加をサポートするだけでなく、食欲を抑制するホルモンを分泌してくれたりとダイエットに嬉しい効果がたくさんあるので、積極的に摂取していきましょう。
卵
- カレーとの相性も良く、たんぱく質以外にも様々な栄養が摂取できる
- 生卵、茹で卵、目玉焼きなど食べ方も豊富で食べやすい
納豆
- 良質なたんぱく質が摂取できる上に咀嚼回数も増えて満足度アップ
- 納豆は白米と食べ合わせることで栄養価が増えるため相性が良い
サラダチキン
- 1パックでたんぱく質量のみを大幅に増やせる
- 味の種類が豊富なのでカレーの種類に合わせて選びやすい
サバ缶
- DHA・EPAといった青魚特有の良質な脂質が豊富に含まれており、中性脂肪・内臓脂肪を減少させるなど様々なダイエット効果が期待できる
- 一缶で十分な量のたんぱく質を摂取できる上、手軽にフィッシュカレーが楽しめる
オリジナルのレトルトカレーを作る
なお、組み合わせるレトルトカレーはなるべくカロリーが低いものを選びましょう。
これはカロリーを抑えるためでもありますが、低カロリーなレトルトカレーは原材料の種類が少なめなので、味がシンプルでアレンジが効きやすいからです。
ここまでにご紹介した低カロリーなレトルトカレー+ご飯の代替品+高たんぱく食材という組み合わせであれば、ベースがレトルトカレーであってもダイエットに適した食事をすることは十分に可能です。
レトルトカレーのカロリーが低いのはなぜか
最後にレトルトカレーのカロリーが低いのはなぜかという疑問について解説すると、それは単純に安価なために具材の少ないカレーが多いからです。
例えば、記事冒頭で紹介したレトルトカレーを比較すると、「ボンカレー甘口」は約150円・148kcalとなっていますが、「松屋のごろごろチキンカレー」は約370円・319kcalとなっており、レトルトカレーと言えども値段が高いものはカロリーも比例して高くなっているのがわかります。
上記の場合は主に鶏肉の有無による違いが大きく、後者のカレーはしっかりとした大きさの鶏肉を使用していることで脂質・たんぱく質の量が上がり、結果的にカロリー量も高くなっています。
しかし、一般的にレトルトカレーはとりあえず簡単に安く食事を済ませる目的での利用が多いため、自然と手に取るものは値段が安くカロリーも低いものになりがちです。
つまり、レトルトカレーのカロリーが低いのはコスパの問題でカロリーが低いカレーが集中しているからであり、必ずしも全てのレトルトカレーが低カロリーな訳ではないということです。
ちなみに、カレールウを買って作る一般的な手作りカレーであっても、結局カロリー量というのは材料次第で大きく変わるので、場合によってはレトルトカレーと大した差は生まれません。
下記画像のようなカレールウも「ルウのみ」のカロリー量は1人前で85kcalとなっていますが、公式レシピの材料を加えて調理すると、1人前のルウのカロリー量は257kcalとなります。
「手作りの方がナチュラルで太りにくそう」といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、むしろ手作りカレーは肉・野菜・調味料・油など様々な材料の分量次第でカロリーが細かく変わってしまうので、料理の仕方次第では知らない間に高カロリーになってしまう可能性すらあります。
そう考えると、ある意味決まった量のカロリーだけを正確に摂取できるレトルトカレーの方が、カロリー計算がしやすいという点では、ダイエット向きと言えるかもしれません。