ワタミ株式会社が提供する宅食サービス「ワタミの宅食」に追加されたダイエット向けの新商品「SMART PLATE(スマートプレート)」。
ワタミの宅食というと高齢者向けのお弁当を販売しているイメージでしたが、こちらの商品は今までとは違い明確にダイエット向きであることが宣伝されていたので、実際に利用してその内容を調査してみました!
結論から先に言ってしまうと、ワタミのスマートプレートはダイエット目的で利用するのはオススメできません!
有名企業の商品だからといって必ずしもダイエット効果があるとは限らないので、ダイエット目的での利用を考えている方は、本記事の内容を一つの参考にしてもらえればと思います。
また下記の記事では、私自身が実際に利用して最もダイエット効果を感じたダイエット特化の宅食サービス5選について紹介しているので、こちらもチェックしてみてください。
ワタミのスマートプレートとは
ワタミのスマートプレートとは、ワタミ株式会社が提供している宅食サービスの一つです。
ワタミといえば大手居酒屋チェーン「和民」のイメージが強いですが、同社はスマートプレート以外にも日替わり弁当・冷凍惣菜・ミールキットなど様々な宅配食品を販売しており、病者・高齢者食宅配市場においては10年以上にわたって売り上げシェア率No.1を達成しています。
スマートプレートはそのノウハウを活かし「スマートになりたい」という方に向けて開発された商品であり、管理栄養士が設計したメニューは面倒なカロリー管理をサポートしてくれます。
管理栄養士設計の弁当が自宅に届く
スマートプレートは、事前注文した冷蔵のお弁当が自宅に届く完全予約制の宅食サービスです。
土日祝日を除く平日の月曜~金曜のみ配送を行っており、毎週水曜までに注文した分がその翌週から配送されます。
配送形式は、月曜から金曜まで毎日お弁当が配送される「日替わり5日間コース」と、1食につき+40円で指定の曜日だけ配送してもらう「曜日を選べるコース(週1日1食から利用可能・土日祝日は指定不可)」の2種類から選択することができます。
自宅を空けることが多く直接の受け取りが難しい場合は、無料で貸出されている「鍵付きBOX」を玄関前などに設置して、その中に配達してもらうことも可能です。
なお、配送は最寄りの「ワタミの宅食」営業所の担当者がルート配送で行っているため、時間指定はできないとのことでした。
基本的な配送時間は午前中から夕方5時までの間となっており、私の場合はお昼の12時前後の配送となることが多く、ほとんどは鍵付きBOXへの配送をお願いしていました。
3種類のプランが選べる
スマートプレートには「F400」「F500」「R500」という3種類のプランが用意されており、それぞれの主な特徴と1食あたりの成分内容は以下の通りです。
- F400…最も低カロリーで1食あたりに使用している食材の種類が多い
- F500…メインのおかずが2種類入っていて、たんぱく質量が多い
- R500…ご飯つきのお弁当となっていて塩分量が最も低い
カロリー | 塩分量 | たんぱく質量 | |
F400 | 400kcal | 3.5g以下 | – |
F500 | 500kcal | 4.5g以下 | 15g以上 |
R500 | 500kcal | 2.5g以下 | – |
1食あたり630円から注文可能
スマートプレートは1食あたり630円からの購入が可能となっており、宅食サービス1食あたりの相場価格はおよそ400~1000円程度なので、比較的に安い価格設定となっています。
それぞれのプラン・コースでの1食あたりの価格は以下の通りです。
日替わり5日間 コース | 曜日を選べる コース(+40円) | |
F400 | 670円 | 710円 |
F500 | 750円 | 790円 |
R500 | 630円 | 670円 |
なお、スマートプレートは商品価格に宅配料が含まれているため、別途送料はかかりません。
ワタミのスマートプレートがダイエットにおすすめできない理由
メニュー内容が他商品の使い回し
スマートプレートはワタミの宅食の中でもダイエット向けとして販売開始された比較的に新しい商品ですが、その内容は以前から販売している別の宅配弁当の名前を変えただけのものとなっています。
下記画像は、2024年1月8日~1月12日のスマートプレート3種の献立表ですが、その内容はワタミの宅食の別商品「まごころおかず」「まごころ御膳」「まごころダブル」とそれぞれ全く同じメニューとなっています。
F400→まごころおかず
R500→まごころ御膳
F500→まごころダブル
※スマートプレートは平日のみ利用可なので1/8のメニューは除く
メニュー内容が一字一句同じなのはもちろん、商品価格・栄養基準・容器のサイズ・温め時間まで完全に一致しています。
しかし、いくらなんでもワタミのような有名企業が同じ弁当の名前だけを変えてダイエット向きの新商品として売り出すとは思えなかったので、上記の点について公式HPから「メニュー表からは判別できない違いがあるのか」という内容の問い合わせメールを送りました。
ところが、この問い合わせに対しては数日経っても返信がなかったため、電話で直接確認をしたところ「スマートプレートのメニューはまごころおかず・まごころ御前・まごころダブルと全く同じ内容であり、ウェブ注文限定かつパッケージデザインを変更することで若い世代に利用してもらうことを意識している」との回答を頂きました。
これら商品の使い回し・問い合わせに対する対応などは、様々な宅食サービスを利用してきて初めての経験だったので、個人的にはダイエット効果の前に一つのサービスとして誰かに利用を勧める気にはなれないと感じました。
ちなみに、スマートプレートは「弁当容器が青色」という他商品との明確な違いがありますが、青色は食欲を減退させる視覚効果があると言われています。
ワタミの代表取締役である「渡邉美樹」さんは、自身のブログにて「この商品で1日1食ダイエットの軸を作ってほしい」と語っているため、スマートプレートは容器の色で食欲を抑えることに注力した最新のダイエット弁当なのかもしれません。
これまで高齢者向けだったワタミの宅食だが、新ブランドでは、現役世代向けの商品を提供することで、マーケットを拡大していく。この商品で、「1日1食ダイエットの軸」を作っていただき、それを習慣化させることを応援したい。
引用:【経営者目線】ワタミの宅食「ダイエット」を応援!! 防衛費増税「先送り」は政治家都合
カロリーが高い
スマートプレートはダイエット中の食事としてはカロリーが高めです。
特にF400、F500のプランに関してはおかずのみの商品となっているので、ご飯などの主食(お茶碗一杯150g=234kcal)を追加すると、1食あたりのカロリーは約700kcal前後となり、成人男性が1食で摂取する平均カロリーと変わらない量になってしまいます。
これは主に脂質の量が多すぎることが原因です。
脂質はたんぱく質や炭水化物と比べて同じ量でも倍以上のカロリーを含んでいるため、ダイエット中は摂取量を控えめにするのが一般的です。
しかし、私が今回注文したF500の4品は、カロリーの元となる三大栄養素については脂質が最も多く含まれる栄養バランスとなっていました。
カロリー | 450kcal |
たんぱく質 | 26.2g |
脂質 | 26.7g |
炭水化物 | 24.7g |
カロリー | 522kcal |
たんぱく質 | 21.3g |
脂質 | 36.9g |
炭水化物 | 27.4g |
カロリー | 443kcal |
たんぱく質 | 17.2g |
脂質 | 29.3g |
炭水化物 | 29.2g |
カロリー | 497kcal |
たんぱく質 | 20.9g |
脂質 | 31.6g |
炭水化物 | 30.5g |
平均すると1食あたり約30g前後の脂質量となっていますが、これは成人が1日に摂取すべき脂質量の約半分の量となっています。(参考:大正製薬、ロッテ、グリコ)
1日に必要な脂質量の半分ほどが1食に含まれているというのは、あまりダイエット向きとは言えません。
実際、ダイエットに人気の宅食サービスでは低脂質を意識した栄養バランスの商品が非常に多く、そうすることでご飯込みで低カロリーかつ高たんぱくな栄養バランスを実現しています。
スマートプレートでもご飯などの主食を抜けばカロリー量は抑えられますが、炭水化物を極端に減らした食事はカロリー量以上に満腹感が得られにくくなってしまいます。
食事制限では栄養バランスに気を付けつつカロリーを抑えることが大事なので、脂質が多すぎるスマートプレートは無駄にカロリーを高くしていると感じました。
なお、R500に関してはご飯込みで平均500kcalとカロリー量自体は控えめではありますが、こちらはダイエットに重要なたんぱく質量の基準が設けられていません。
最もたんぱく質量が多いF500が前述した栄養バランスなので、更にたんぱく質の割合が減ってしまうR500は、F400・F500と同様にダイエット向きではないと感じました。
土日祝日は利用できない
スマートプレートは平日しか利用できないため、土日や祝日などの食事管理が疎かになってしまう可能性があります。
特に月曜や金曜が祝日の場合には土日と合わせて3日以上の間が空いてしまいますが、ダイエットでは好きな食事がしやすい休日にこそしっかりと食事管理を行うことが重要なので、平日しか利用できないというのはスマートプレートの大きなデメリットだと言えます。
ワタミのスマートプレートは不味い?実際に食べてみた
今回は最も多くのたんぱく質が摂れる「F500」を5日間日替わりコースで注文してみました。
なお、注文した週の内1日が祝日だったため実際に届いたのは計4食となりました。
結論から言ってしまうと、ワタミのスマートプレートは想像していたよりも美味しかったです。
使い回しのメニューであることや問い合わせ対応の悪さから味に関しても期待していなかったのですが、いわゆるコンビニ弁当やスーパーのお惣菜などよりはクオリティが高いように感じました。
実食レビュー
玉子焼き エビとひき肉の中華あんかけ&鶏肉のごま味噌だれ
豚肉と高菜の炒め物&赤魚の煮付け
和風ハンバーグ&ホタテと野菜の和風煮
牛肉と野菜の五目炒め&銀ヒラスの照り焼き風味
味・食べ応えまとめ
ワタミのスマートプレート「F500」プランは、味・食べ応えの両方がしっかりと満足できるクオリティでした。
カロリーが高めなので食べ応えがあるのはある意味当然ですが、豊富な種類の食材を使ったメニュー、濃すぎず薄すぎない味付け、ほんの少し量でもしっかり工夫された味付けの副菜などからは、確かなこだわりが感じられました。
特にどのメニューもとにかく食材の種類が充実していたので、最初から最後まで様々な味が楽しめて飽きにくいのが良かったです。
また、スマートプレートは一般的な「冷凍」タイプの宅食とは違い「冷蔵」タイプのお弁当なので、レンチン調理をした際に料理が劣化しにくいのも嬉しかったです。
冷凍タイプの宅食は解凍の際に野菜の水分が出過ぎてシナシナになる・加熱ムラが生まれるということ多いので、スマートプレートは比較的にしっかりとした食感を楽しむことができました。
ワタミのスマートプレートの口コミ・評判
X(旧Twitter)にてワタミのスマートプレートの口コミを調査しましたが、2024年1月時点では商品に関する口コミはほぼ見つけることが出来ませんでした。
これは利用者の年齢層が比較的に高くSNS等の利用率が低いことや、まだサービス開始から間もないことが主な原因だと考えられます。
口コミ・評判に関しては実際の利用者の声が増え次第ご紹介していきたいと思います。
以下からは、スマートプレートと実質的に同じ内容である「まごころおかず」「まごころ御前」「まごころダブル」を利用した方の口コミを紹介していきます。
良い口コミ
ワタミの宅食3日間(まごころおかず)食べた‼️💪
— マテさん@4y👧1y👶 (@matepyapya) December 9, 2020
毎日届けてくれる&非対面OKは楽だった。おかずは味濃いのもあってまあまあ。ただし、量が足りない笑
旦那は仕事場で給食なので夜はもっと味も量もパンチが欲しいそう。
本格的に取り入れるならまごころダブルかなぁ😅
悪い口コミ
実際に利用して感じたメリット・デメリット
メリット
週1日1食から届けてくれる
スマートプレートは週1日1食からでも注文が可能なので、気軽に試しやすいのは大きなメリットだと感じました。
一般的な宅食サービスはある程度まとまった食数での注文が必要なことが多いため、「実際に注文したら口に合わなくて余らせてしまった」「冷蔵庫・冷凍庫が一杯になってしまう」ということが少なくありません。
その点、スマートプレートは1食から注文が可能な上に日を分けて1食ずつ配送してくれるので、初めてでも気軽に試せる上に収納スペースに困ることもありません。
送料がかからない
スマートプレートは送料が商品代金に含まれているため、食数・配送頻度に関係なく送料がかからないのも大きなメリットです。
一度にたくさんの食数を注文すると送料が無料になる宅食サービスは珍しくありませんが、スマートプレートは月曜から金曜まで毎日1食ずつ届けてもらっても送料は一切かかりません。
これは全国の営業所から自社配送を行っているワタミだからこそ実現できる、唯一無二と言っていいレベルの大きなメリットだと思います。
デメリット
食品添加物の種類が多め
スマートプレートには食品添加物がガッツリと使用されています。
私が今回注文した4品に関しては1品あたり11~14種類の食品添加物が使用されていましたが、これはコンビニ弁当に使用されている添加物の種類数とほぼ同じです。(参考:コンビニ弁当の栄養素充足率と食品添加物使用実態調査)
宅食サービスには添加物の使用をなるべく避けている商品も多いので、栄養バランスだけでなく添加物にも気を付けたい場合には、スマートプレートの利用はオススメできません。
筋肉食堂DELI |
食品添加物はpH調整剤1種類のみ使用 |
GREEN SPOON |
特定の添加物の不使用を徹底 無添加のメニューも多数あり |
メニューが選べない
スマートプレートは週ごとにあらかじめ決められたメニューが配達される形式となっています。
注文の際は公式サイトから2週間先までの献立を確認することができます。
ただし確認できるのはメニュー名のみとなっており、実際の見た目や使用している詳細な食材までは確認できません。
消費期限が短い
スマートプレートの消費期限はF400とF500が配達日から翌日15時、R500は配達当日中となっているため、長期保存ができません。
急な予定などが入り当日中に食べ切ることができない場合は、食べる前に消費期限を過ぎてしまう可能性があるため注意が必要です。
配達の時間指定ができない
スマートプレートはルート配送のため配達時間の指定はできません。
直接の受け取りが難しい場合は無料で貸し出されている鍵付きBOXを利用できますが、鍵付きBOXの設置スペースがない・室外にお弁当を置いておきたくないという場合は、配達時間には自宅を空けないよう気をつける必要があります。
また、鍵付きBOXを利用する場合は鍵の受け渡しのために一度は直接対応をする必要があります。
ワタミのスマートプレートが向いている人・向いていない人
ここまでの内容を踏まえると、ワタミのスマートプレートは以下のような方におすすめのサービスです。
それに対して、以下のような方はスマートプレート以外の宅食サービスの利用を検討してみるのが良いかもしれません。
よくある質問
配達できない地域はある?
下記の地域にはワタミの宅食の営業所がないため、スマートプレートを利用することができません。
- 北海道
- 青森、秋田、岩手
- 沖縄
- その他一部エリア(離島など)
自身の住んでいる地域が対象エリアかどうかは、公式サイトへアクセスし自宅の郵便番号を入力すれば簡単に調べられます。
まとめ
ワタミのスマートプレートは時短などを目的として利用する分には良いサービスですが、ダイエット目的で利用するにはオススメできないサービスでした。
(そもそもダイエット用ではなかった商品を名前だけ変えてダイエット向きと言い張っている訳なので当然と言えば当然ですが…。)
ワタミのスマートプレートに限らず、企業や商品の知名度の高さとダイエット効果は必ずしも比例しないので、ダイエット効果を重視する場合はあくまでも内容そのものよく確かめてもらえればと思います。
下記の記事では、私自身が実際に利用して最もダイエット効果を感じたダイエット特化の宅食サービス5選について紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。