こちらの記事では
- 普通の人の食事量がわからない
- 普通に食べてるだけなのに太るのはなぜ?
- 普通の食事ってなにを食べればいいの?
といった疑問について解説しています。
ダイエットを始めようとすると「普通の食事をすればいいだけ」なんてことを言われがちですが、本人からすると普通の食事そのものがわからないということは珍しくありません。
私自身もダイエットを始めたばかりの頃は「普通ってなんだよ…そんなに食べてるつもりないよ…」などと思いながら、試行錯誤を重ね食事管理を行いました。
そうして分かったのは、普通の食事の基準は人それぞれであり、痩せる/太る食事量というのは具体的な数字を目安にして考えるべきということでした。
以下の画像は、私がダイエットを始める前と現在の体型を比較したものになります。
現在の私は、自分にとっての普通の食事量というものを把握し、時には食べ過ぎたり、我慢したりを繰り返しながら、痩せてからの体型を無理なく維持できています。
自分に適切な食事量がわからなくて悩んでいるという方は、本記事で紹介する内容を参考に、食生活を見直してもらえたらと思います。
普通の食事量とは
まず前提として、本記事では普通の食事量というものを「その人が大きく太りも痩せもしない食事量」として話を進めていきます。
そして結論から言ってしまうと、普通の食事量というのは人によって違うのが当たり前であり、誰もが同じように体重を維持できる食事量というものは決まっていません。
なぜなら、体重が変わらない食事量というのは、その人の日々の消費カロリーと摂取カロリーのバランスによって決まるものであり、そのバランスとはその人の生活スタイル・食の好み・体格など様々な要素で変化するからです。
極端に例えると、体が大きく筋肉も立派なスポーツマンと小柄で運動不足な人では、日々の消費カロリーに大きな差があります。
なので、仮に後者の人がスポーツマンの健康的な食事を真似したところで、ほとんどの場合は摂取カロリーが過剰となり太ってしまいます。
「そんなあからさまに参考にならない人の真似はしないよ!」と思う方もいるかもしれませんが、そもそも自分の食事内容を見直すのであれば、重要なのはどんな人が食べているメニューかではなく具体的な摂取カロリー量や栄養素などの数字です。
そして自分の消費カロリーというのは自分自身で少しづつ把握していくしかありません。
つまり、普通の食事量というものを知るには、まずは自分の普段の消費カロリーをおおよそでも計算し、そのカロリー量を超え過ぎないようゼロから足し算をして食事メニューを組み立てる必要があるわけです。
自分の消費カロリーを知る
まず最初に知るべきなのは自分が日々消費しているカロリー量です。
なぜなら、消費カロリーとはつまり自分が太らずに食べられる食事量の限界であり、この数値を知らないことには適切な食事メニューの考えようがないからです。
消費カロリーというのは基礎代謝×身体活動レベルという式で計算することができます。
基礎代謝量についてはいくつかの計算方法がありますが、本記事では国立健康・栄養研究所の推定式を参考にしたいと思います。
※こちらのサイトで性別・年齢・身長・体重を入力するだけで簡単に計算できます。
身体活動レベルについては、まずは下記3つのレベルから自分と近い生活スタイルを選択してください。
レベル1:生活の大部分を座って過ごしており、運動や外出をすることも少ない
レベル2:デスクワーク中心の仕事だが、職場内での移動や立ち作業・接客、あるいは通勤・買い物・家事・軽いスポーツなどを行なっている
レベル3:移動や立ち作業の仕事が多い。あるいは、スポーツをするなどの活発な運動習慣を持っている
次に、選んだレベルと自身の年齢を下記の表に当てはめて、身体活動レベルを数値化してください。
例えば私の場合だと、年齢が28歳・身体活動レベルは2なので、基礎代謝量と掛け合わせる数値は1.75ということになります。
男女共通
身体活動レベル | 1(低い) | 2(普通) | 3(高い) |
15〜17 (歳) | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18〜29 (歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
30〜49 (歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
50〜64 (歳) | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
65〜74 (歳) | 1.45 | 1.70 | 1.95 |
75〜 (歳) | 1.40 | 1.65 | ー |
以上の2つの数値を掛け合わせて消費カロリーを計算します。
私の場合は基礎代謝が1457kcal、身体活動レベルが1.75なので
式は 1457 × 1.75 = 2549.75 となり
私が1日に摂取しても太らないカロリー量の上限は約2549kcalということになります。
これはあくまでも推定値であり、実際の数値とは少なからずズレが生じます。
しかし、重要なのは具体的な数字でカロリーコントロールの基準を設定することであり、ひとまずこれ以上の正確性を求める必要はありません。
なぜなら実際にこのカロリー量が正しいのかどうかは、同じ量のカロリーを摂取してみればわかることであり、より正確な計算がしやすいのは商品の成分表示などが見られる摂取カロリーの計算だからです。
食事量はカロリー量で決める
食事量を決めるときは、食品の種類やイメージだけではなく、実際にその食べ物が含んでいるカロリー量をしっかりと確認する必要があります。
痩せている人に普段の食事内容を聞くと、1日3食は米を欠かさず食べているということは全く珍しくありません。
しかし、これを聞いて「朝昼晩と1杯ずつご飯を食べてもいいんだ」と、考えなしにご飯を茶碗に盛ってしまうのは避けるべきです。
なぜなら、実際のカロリー量はその人にとってのお茶碗一杯の量によって大きく左右されてしまうからです。
例えば、お茶碗一杯のご飯をネット検索すると約150g程度が平均とされることが多いですが、一方では200gが普通盛りだとされる場合もあり、実際、レトルトパックのご飯などは1食200gで販売されていることも珍しくありません。
一見すると「気にするほどの差なの?」と思ってしまいますが、仮に50gの差が×3食となると、結果的には150gとなり、1日でお茶碗一杯分の差が生まれることになります。
お茶碗一杯分のご飯のカロリー量は約252kcalであり、仮にこの分のカロリーを1ヶ月間抑えられていたら、252kcal×30=7560kcalとなり、これだけでも約1kgのダイエットに成功してる可能性があります。
そして、こういった細かい分量の差というのは、具体的な数字を測って確認しないと意識がしづらいものです。
それどころか、以下のように画像を並べて比較しても、見た目にはそこまで違いを感じない人の方が多いのではないでしょうか。
家で炊いたご飯のような成分表示が見られない食品に関しては、ネットやアプリ等で検索をしてカロリー量を調べ、一食の量を自分で調節する必要があります。
「ご飯をよそう度にはかりなんか使わないといけないの…?」と思うかもしれませんが、1日に数十秒の手間が月1kgのダイエットに繋がるかもしれないということを考えると、個人的にはこれ以上に効率の良い方法はないとすら思います。
こうしてなるべく正確に摂取カロリーを計算し、消費カロリーとすり合わせていくことで、食べ続けても太りも痩せもしない食事量=普通の食事量が分かるようになります。
普通の食事量が分かれば、無理なく痩せるための食事量/太り過ぎないための食事量も自然と把握できるようになり、ダイエットに失敗しにくくなります。
次項からは、普通の食事量にするだけでは痩せない理由や痩せるための食事量について解説していきます。
普通に食べると太るのはなぜ?
「他の人と比べても食事量は同じくらいなのに、自分だけ太っている」というのはダイエットにありがちな悩みです。
この場合には、前項でお話ししたように同じような食事をしているつもりでも実は摂取カロリーに差があるというケースが考えられますが、中には本当に普通の食事量なのに周りより太っている人というのは存在します。
しかし、それ自体はそこまで不思議なことではありません。
なぜなら、普通の食事とは制限も暴食もしない体重を維持する食事のことであり、普通体型の人と太り気味の人がそれを同時に行っても、それぞれが現状の体型を維持するだけで肥満度の差が縮まることはないからです。
つまり、その差というのは普通の食事をはじめるまでに蓄積してきた過去の食べ過ぎの差です。
それを無くすには、いったんは普通以下の食事をして体脂肪をエネルギーとして消費しないといけないということです。
基礎代謝が低下している
「現状は肥満体系ではないけれど、周りと同じような食事をすると少しずつ太り始めてしまう」という人は、基礎代謝が低下している可能性があります。
これは運動不足や極端なダイエットなどによって筋肉量が少なくなっている人にありがちなケースで、つまりは摂取カロリーが多いというよりは消費カロリーが少ないということです。
解決策としては、適度な運動やたんぱく質の豊富な食事を心がけ、基礎代謝や身体活動レベルを少しづつでも高めていくことです。
その過程で体重が増えていくことは避けられませんが、体重計の数値だけを気にして気に病む必要はありません。
なぜなら、たとえ同じ身長・体重でも体脂肪率の高い体と筋肉質な体ではその見た目は全く異なり、筋肉で重くなった体というのは体重の重さとは裏腹に引き締まった見た目になるからです。
以下の画像は、メタボ体型から筋肉質な体になった人達が、同じ体重でも別人のような見た目に変化している比較写真になります。
筋肉を増やそうと思えばある程度の脂肪も一緒につくことは避けられませんが、いつかは肉体改造を行わない限り、食べても太らない食事量の上限は上がりません。
と言っても筋肉ムキムキになる必要はないので、自宅でできるような簡単な筋トレを行いつつ、たんぱく質を意識した食事メニューを組んでみるのがオススメです。
普通の人の食事内容
適切な食事量というのはカロリー量の計算が重要だとお話ししましたが、そもそも普段の食事のカロリー量というのは食の好みによっても大きく左右されます。
かといって、普通体型の人は太りにくい物ばかりを食べているのかというとそうではなく、全体のバランスとして太りやすい物も太りにくい物も同じくらい食べているということが言えるかと思います。
「好きだけど太りやすいなら一生食べない!」というのは現実的ではないので、まずは優先順位の低いものから太りにくい食べ物に置き換えていくのがオススメです。
以下に私が個人的に効果があったと感じる、太りやすい食べ物の置き換え例を並べてみたので、参考にしてみてください。
ジュース→お茶・炭酸水
- ジュースは簡単にカロリーが取れてしまうので、特に置き換えるメリットが高い
- 同じ商品のカロリーオフ版などに置き換えるのもgood
洋菓子→和菓子
- 和菓子は洋菓子と比べて脂質が控えめなので、自然と低カロリーな傾向にある
- 和菓子は運動前の栄養補給にも適していて、植物性タンパク質が取れるのもお得
- スルメイカは食べ応え・たんぱく質の豊富さ・シンプルな原材料などの点から特にオススメ
麺類→そば
- ラーメンやパスタなどは脂質が高めで、具材も高カロリーなものが多い
- うどんやそうめんと比べても、そばはGI値が低い(血糖値が上がりにくい)ため、糖質が脂肪に変換されにくい
- そばは食物繊維を多く含んでいるので腹持ちが良く、便秘改善にも効果あり
油系の調味料→ノンオイルドレッシング
- 油っぽい調味料は見た目以上に高カロリーな上、口にする頻度が多くなりがちなので置き換え効果が高い
- ノンオイルドレッシングでも、糖分の多すぎるものはなるべく避ける
同じ商品のカロリーオフver.
- 有名な商品にはカロリーオフver.が出ていることが多く、見つかれば無理なく置き換えやすい
- ゼロカロリーのジュース、おやつ(ゼリー等)、麺、調味料などは決して珍しくないので、味さえ気に入れば、安心してたくさん食べられる
食事量は他人と比べても仕方がない
今回は普通の食事というものについてお話しをしましたが、最も伝えたいことは、普通の基準とは人によって変わるものであり、自分にとっての健康的な食事量とは体の変化を感じながら少しづつ把握していくべきだということです。
仮にどれだけスタイルの良い人の食事を完璧に真似たとしても、体格・体質・生活スタイルが違う時点で同じような体になることはほぼありません。
それどころか、他人を基準にした無茶な食事制限は痩せにくく太りやすい体を作る原因にもなってしまいます。
「普通に生活してれば痩せる」というのは太った体から痩せたことのない人しか使わない言葉なので、気にしても仕方がありません。
健康的に痩せるためにやるべきことは、自分の消費カロリーを計算し、摂取カロリーを調整し、適度な運動で体を鍛えることだけです。
他人と比べず、自分のペースを守り、ゆっくり長い目でダイエットにチャレンジしてみてください。