こちらの記事では
- 腹筋ローラーで消費できるカロリーってどのくらいなの?
- 腹筋ローラーは効果がないってホント?
- 腹筋ローラーだけで腹筋を割ることはできるの?
といった疑問について解説しています。
私自身の腹筋ローラー歴は約2年ほどで、下記画像は2年前と現在の体型を比較したものになります。
ボディビルダーのようなバキバキの腹筋にはなれていませんが、個人的には満足のいく結果が出ており、腹筋ローラーというのは地味な見た目からは想像できないコスパの高いアイテムだと感じています。
しかし、腹筋ローラーは話題性こそ高いものの、その実際の効果などについては誤った認識が広まっているように思います。
これから「腹筋ローラーを始めて腹筋を割りたい!」と考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にして頂けたら幸いです。
腹筋ローラーの消費カロリー
腹筋ローラーに限らず、筋トレで消費するカロリーは、トレーニングを行う人の体重・年齢・性別・運動強度・トレーニング時間などによって変わりますが、今回は体重70kgの人が腹筋ローラー(膝コロ)を行なったとします。
まずは以下の式に条件を当てはめて1分間あたりの消費カロリーを計算します。
(体重×運動強度×3.5) ÷ 200 = 1分間あたりの消費カロリー ※参考:fitnessvolt
腹筋ローラーの運動強度は、よくある腹筋運動の値である3.8より少し高い4と仮定します。
これらの数値を当てはめると、式は
(70kg×4×3.5) ÷ 200 = 4.9
となり、体重70kgの人が腹筋ローラーを1分間行った時の消費カロリーは約4.9kcalということが分かります。
そして、初心者に推奨されている腹筋ローラーの回数は、およそ10~15回を3セット程度です。
少し頑張って1セットを15回とし、腹筋ローラー1回を4秒で行えば1分で1セットが終了します。
そうすると×3セットでトレーニング時間の合計は3分となり、体重70kgの人が一般的な腹筋ローラーのトレーニングを行なった場合に消費できるカロリーは約15kcal前後ということになります。
腹筋ローラーでカロリー消費をさせるのは効率が悪い
15kcalというのはちょうどアメ玉一個分くらいのカロリーに相当します。
「腹筋ローラーってそんなに消費カロリーが少ないの?」
「3分しかやらなかったらそりゃそんなものでしょ」
と思われた方もいるかも知れませんが、実際、腹筋ローラーのカロリー消費効率は悪いです。
また、これはやってみれば分かることなのですが、腹筋ローラーは見た目以上にハードなトレーニングなのでセット数を増やしてカロリーを消費するのにも限界があります。
そして実際にトレーニングを行う際にはセット間に休憩を挟まなければいけないので、実際の時間効率はさらに悪くなります。
前述したトレーニングメニューを行うなら、セット間の休憩を2~3分とした場合、3セットを終えるには10分ほどかかります。
しかし、ウォーキングなどを行う場合なら間に休憩を挟む必要もなくなり、同じ10分間でも約37kcalと倍以上のカロリーを消費することが出来ます。
「ハードなのにカロリーを消費できないってどういうこと?」
と思われるかも知れませんが、簡単に説明すると、筋トレ(無酸素運動)とウォーキング・水泳等(有酸素運動)では使用するエネルギー源が違うため、その結果、低負荷でもより長く続けられるウォーキングなどの方が効率よくカロリーを消費することができるということです。
・腹筋ローラーで消費できるカロリーはウォーキング以下
腹筋ローラーは効果がないのか
腹筋ローラーを使って一定期間トレーニングした人の感想を聞くと、その評価は様々です。
「1ヶ月で腹筋が割れてきた!」という人がいる一方で「腹筋が割れるどころか腰を痛めただけだった」という人も珍しくありません。
私個人の結論としては、腹筋を鍛えるという目的であれば、腹筋ローラーはあらゆる人にとって効果的な筋トレであると思います。
しかし、腹筋を割るということを目的とした場合には、腹筋ローラーをやっても効果がある人と無い人が存在し、後者の場合には何ヶ月と腹筋ローラーを続けても腹筋が割れることはないという可能性もあると考えています。
腹筋ローラーで腹筋が割れる人と割れない人の違い
腹筋ローラーをやっても人によって腹筋が割れたり割れなかったりする主な原因は体脂肪率の違いにあります。
まず前提として、人間の腹筋というのは年齢性別体格に関わらず元々割れているものです。
学校に置いてあるような人体模型などを想像すると分かりやすいかも知れません。
ここに人によって厚さの違う脂肪がまとわれることで、本来は凹凸があるはずのお腹もポヨンとした見た目になってしまうのです。
つまり、極端なことを言えば脂肪さえ少なければ腹筋を全く鍛えていない場合でも腹筋は割れて見えます。
そして逆を言うと、どれだけ腹筋を鍛えても脂肪が乗っていると腹筋は割れて見えはしないということです。
例を挙げると、華奢でスマートな体型のアイドルなどの腹筋が割れているのは前者のパターンが多く、毎日厳しいトレーニングを積んでいる相撲取りのお腹がポヨンとしているのは後者のパターンに当てはまります。
「体脂肪の厚さが大事だとしても、腹筋の大きさも重要じゃないの?」
という意見はもちろん間違いではありませんが、筋肉と脂肪ではその密度に大きな差があるため、同じ重さでも筋肉より脂肪の方が約1.2倍ほど大きく見えてしまうという特徴があります。
また両者では脂肪の方が圧倒的に増えやすいということもあり「分厚い脂肪があっても鍛えまくれば腹筋は割れて見えるはず!」という考え方は現実的ではありません。
参考として
1.私が何もせず太っていた頃
2.筋トレ無しでダイエットした後
3.腹筋ローラーをしつつ体重を増やした後
4.腹筋ローラーをしつつ体重を減らした後
の順で腹筋の変化を写した画像を並べて見たいと思います。
これを見ると、2枚目でうっすらと形が見えてきている腹筋が3枚目ではほとんど見えなくなっているのが分かります。
この間はしっかりと腹筋ローラーを行なっていたはずですが、やはり腹筋が増える早さよりも脂肪が増える早さの方が上回っているのが原因だと思います。
以上のことから、腹筋ローラーを使って腹筋が割れやすい人というのは体脂肪率は低いが腹筋が弱すぎる人が多く、割れにくい人には腹筋は強い(もしくは弱い)が体脂肪率が高い人が多い可能性があるということが言えるかと思います。
そして後者の場合には、いくら腹筋ローラーをしても体脂肪を落とさない限り腹筋が割れて見えるようにはならないということが言えるかと思います。
・腹筋をどれだけ鍛えても、脂肪を落とさないと腹筋は見えてこない
・どんな人でも腹筋は脂肪の内側に隠れている
腹筋ローラーだけで腹筋は割れるのか
食事制限や有酸素運動などをせず、腹筋ローラーだけで腹筋を割ることができるのか?という問いに対する私の考えは「不可能じゃないけどキツすぎる」です。
前項で説明した通り、腹筋が割れて見えるようになるには脂肪と筋肉の割合が重要であり、より見た目に変化を持たせやすいのは体脂肪を減らすことだと話しました。
そして、体脂肪を減らすにはカロリーコントロールをして日々のカロリー収支が「消費カロリー>摂取カロリー」となるように調整をしなければいけません。
つまり、消費カロリーを上げるか、摂取カロリーを下げる必要が出てきます。
消費カロリーを上げる場合は運動をするということになりますが、これについても前項で説明した通り、より効率的にカロリーを消費できるのは腹筋ローラーなどの無酸素運動ではなく有酸素運動です。
体脂肪を減らすということを目的とした場合には、この時点でもわざわざ腹筋ローラーを選ぶ理由は少なくなってしまいます。
また、そもそもカロリーコントロールを行うなら消費カロリーを上げるより摂取カロリーを制限する方が効率的です。
その理由は、カロリーというものは摂取するのは簡単ですが、消費するのは大変だからというシンプルなものです。
例として、あんぱん一個を食べるのを我慢するか、食べた以上に運動するかという二択について考えてみましょう。
こちらはどこでも見かける普通のあんパンです。1個当たりのカロリーは359kcalとなっており、これは菓子パンの中でもまあ高すぎず低すぎずといった平均的な数値だと思います。
食べるのにかかる時間は5分~10分といったところでしょうか。
これに対して、体重70kgの人が359kcalを運動して消費するのにかかる時間を種目ごとに並べてみます。
種目 | 359kcalを消費するのにかかる時間 |
ウォーキング | 68分 |
水泳 (ゆっくり背泳ぎ) | 61分 |
ジョギング | 42分 |
サイクリング (時速20km) | 37分 |
ランニング (時速8km) | 35分 |
いかがでしょうか。ウォーキングなら1時間以上、ランニングでも30分以上はかかる計算となります。
菓子パン一つのために1時間以上歩くのが苦ではないという方であれば話は別ですが、ほとんどの方はこの数字を見て運動で消費できるカロリーの少なさに恐怖さえ感じているのではないでしょうか。
そして、ここに先ほど計算した腹筋ローラーの消費カロリーである3分で15kcalという数値を照らし合わせると、腹筋ローラーだけで腹筋を割ることの現実味の無さがより感じられるかと思います。
・腹筋ローラーだけで腹筋を割ることは理論上は可能だが現実的ではない
・腹筋を割れて見せるには脂肪を減らすことを優先するべき
・脂肪を減らすための優先順位は食事制限>有酸素運動>無酸素運動(腹筋ローラー)
腹筋ローラーの目的はカロリーを消費することじゃない
前項ではまるで腹筋ローラーは非効率でしかないとでも言わんばかりの話をしましたが、それはあくまでも目的によって使い分けが必要という話であり、腹筋を大きくするという点では、腹筋ローラーほど効率の良い方法は他にないとすら思っています。
それは、腹筋ローラーは比較的少ない回数でも腹筋を強く刺激することができる高負荷なトレーニングだからです。
一般的な腹筋運動というと下の画像のようなトレーニングをイメージされる方が多いと思いますが、このような種目ではトレーニングの負荷が低くなりがちなため、筋肉を大きくするというよりは筋持久力(筋肉を長時間働かせる力)を上げる効果の方が高いです。
筋肉の質によって見た目に違いが生まれるというのは、長距離走・短距離走の陸上選手などをイメージしてみると分かりやすいかもしれません。
これらの選手はどちらとも走ることのプロであり、常に足を鍛え続けているはずですが、持久力のある長距離選手の足は細くスラっとしているのに対し、瞬発力が必要な短距離選手の足は太くガッチリとしています。
つまり、筋肉を大きくするにはなるべく強い負荷で瞬発的な力を発揮するトレーニングを行うのが望ましいということが言えるかと思います。
そして、腹筋を高負荷で鍛える選択肢として、ジムなどの立派な器具を使う必要もなく、場所も選ばない腹筋ローラーは、あらゆる人にとって取り入れやすいトレーニングだと思います。
注意点としては、腹筋ローラーは見た目以上に負荷が強いトレーニングなので、勢い任せにやってしまうと腰などを痛めてしまう可能性が高いです。
しかし、正しいフォームを意識しながらトレーニングを行えば、ほんの10回程度の回数でも強烈な筋肉痛を味わうことができます。
私自身も、初めて腹筋ローラーをやった時はトレーニング直後からお腹の底が熱くなるような感覚にビックリしたのを覚えています。
腹筋ローラーは消費カロリーこそ少ないものの、腹筋を大きくするという点ではとても優秀なトレーニング種目なので、脂肪を減らすための食事制限や有酸素運動などと一緒に行うと、腹筋をよりクッキリと割ることができるはずです。
・腹筋ローラーは脂肪を減らすダイエットと一緒に行うと効果あり
腹筋ローラーは食事制限と組み合わせるのがベスト
今回は主に腹筋ローラーそのもののメリット・デメリットなどについてお話ししましたが、腹筋ローラーを始めようか迷っている方の最終的な目標は腹筋を割ることかと思います。
だとすると、本記事中でお話しした通り、腹筋ローラーなどを頑張ること以上に大切なのは体脂肪を減らすことです。
もちろん、ただただ痩せるのみでは凹凸の少ないペラペラな腹筋しか見えてこない上、筋肉量の少ない体になってしまうので、適度な筋トレをすることは重要です。
なので、理想は食事制限によるダイエットをメインとし、あとは腹筋ローラーなどの筋トレを無理のない範囲で頑張るのがオススメです。
食事制限と筋トレそれぞれの頑張る比率をだいたいの目安として表すなら
「食事制限 7 : 筋トレ 3 」
といったところでしょうか。
このような、筋トレと同じくらいに食事管理が重要という認識は、ある程度ボディメイクを継続している人の間ではもはや常識と言っても過言ではありません。
かの有名なハリウッドスターである「アーノルド・シュワルツェネッガー」さんは、世界トップクラスのボディビルダーとしても知られていますが、彼は過去に以下のような名言を残しています。
「腹筋はキッチンで作られる」
運動と食事管理をバランスよく行うというのは簡単なことではありませんが、食事管理無しでバキバキの腹筋になれるのは、一般人とは日常的な消費カロリー量が桁違いに多いごく一部のプロスポーツ選手くらいのものです。
しかし、腹筋運動に加えて適度な食事制限ができれば、一般的に言われる細マッチョ程度の腹筋を手に入れることは想像よりも難しくないと思います。
これから腹筋ローラーだけで腹筋を割ろうとしている方や、いろんな腹筋運動をしてきたけど筋トレだけでは結果が出なかったという方は、ぜひ食事制限によるダイエットにもチャレンジしてもらえたらと思います。