こちらの記事では
- 深夜に牛丼を食べると太りやすいってホント?
- 太りにくい牛丼や食べ方ってあるの?
といった疑問について解説しています。
深夜でも手軽に利用しやすい牛丼屋というのは、夕食が遅くなってしまった仕事帰りや、ふと夜食が食べたくなった時についつい利用してしまいがちです。
しかし、そこで気になるのが「遅い時間に牛丼を食べると太るのかどうか」という問題です。
結論から言ってしまうと、深夜の牛丼は太りやすい食事だと言えます。
なぜなら、牛丼屋などのファストフードには太りやすい栄養バランスのメニューが多く、また深夜というタイミングでの食事は脂肪を蓄積しやすくなるからです。
実際、私自身は食事制限の一環として牛丼屋を含むファストフード店での夜食をやめた結果、−10kg以上のダイエットに成功しました。
下記画像は私がダイエットを行った際のビフォーアフター画像になります。
牛丼屋というのは手軽さと美味しさを兼ね備えていますが、体型を維持する・ダイエットをする際には注意が必要なお店です。
「最近太り気味なのは深夜の牛丼が原因かも?」という方は、今回ご紹介する内容を参考に牛丼屋との上手な付き合い方を考えてもらえればと思います。
深夜の牛丼が太りやすい理由
深夜の牛丼が太る原因となるのは、シンプルに太りやすいものを太りやすい時間に食べているからです。
それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
カロリーが高い
一般的な牛丼屋のメニューというのは満腹感が重視されがちなので、おのずと摂取カロリーが高くなってしまいやすいです。
下記の表はおなじみの牛丼チェーン「すき家」「吉野家」 「松屋」の牛丼並盛りのカロリーを比較したものですが、平均して1杯約700kcalとなっています。
すき家 | 吉野家 | 松屋 |
733kcal | 633kcal | 732kcal |
1日3食を前提として考えると、このペースでは1日の総摂取カロリーは約2100kcal程度となるので、一見すると高カロリーには感じにくいです。
下記の表は厚生労働省が定める1日あたりの摂取カロリーの目安になりますが、仮に成人男性であれば2100kcalという数値は運動不足な生活スタイルであっても食べ過ぎにはなりにくいカロリー量です。
女性であっても、普通程度に体を動かしている生活スタイルであれば、大きく太る原因になるほどのカロリー量ではありません。
身体活動レベルの区分
- 低い・・・生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
- 普通・・・座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
- 高い・・・移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣をもっている場合
しかし、これはあくまでもシンプルな牛丼並盛りだけを想定した場合の計算であり、サイズ・トッピング・サイドメニュー次第でカロリー量は大きく変わります。
また、カロリー計算には間食での摂取カロリーも含めることが重要であり、一本のジュース・一袋のお菓子などがカロリーオーバーの原因になることもあります。
さらに、上記の摂取カロリーの目安はあくまでも目安なので、実際に摂取すべきカロリー量には少なからず誤差があります。
同じ年齢・性別・身体活動レベルでも、筋肉量などが少ない基礎代謝が低い体であれば、食べ過ぎにならない範囲で摂取できるカロリー量も低くなってしまいます。
上記のような点を踏まえると、1食700kcal程度が当たり前の牛丼というのは余裕を持ってカロリーコントロールをするには高カロリー過ぎる食事と言えます。
ちなみに、当時172cm・70kg・27歳の私自身がダイエットを行った際は、1日の摂取カロリーを1600~1700kcal程度に抑えることで、月に2~3kgの減量に成功しました。
「太らない」ではなく「痩せる」ことを目的とするのであれば、個人的には牛丼は真っ先に選択肢から外すメニューです。
栄養バランスが偏る
牛丼は基本的にたっぷりの白米と脂っぽい肉をメインとして構成されているので、栄養素が炭水化物と脂質に偏りがちです。
下記の表は大手牛丼チェーン各社の牛丼並盛りの成分表示を並べたものになりますが、いずれの場合も三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の中でたんぱく質の割合が最も低くなっているのが分かります。
店の種類 | すき家 | 吉野家 | 松屋 |
たんぱく質 | 22.9g | 19.6g | 17.9g |
脂質 | 25g | 23.6g | 29g |
炭水化物 | 104.1g | 88.2g | 95.3g |
太りにくい食事を意識する場合は炭水化物や脂質を抑えてカロリーを低くしながら、たんぱく質を積極的に摂取し筋肉量の多い痩せやすい体を目指すことが重要なので、このような栄養バランスはあまり好ましくありません。
牛丼は特にご飯の量が多くなりがちで、総カロリーの半分以上はご飯が占めていることがほとんどです。
吉野家の牛丼並盛りのご飯の量は250g・肉の量が90gが公称値となっていますが、ご飯250gのカロリー量は約390kcalほどあり、これはご飯だけで総カロリー(633kcal)の約6割を占めているということになります。
そして、牛肉は立派なたんぱく源ではありますが、多くの牛丼に使用されている牛肉はバラ肉と呼ばれる脂質の多い肉なので、たんぱく質が取れるメリットと同じくらいにカロリーが高くなるデメリットがあります。
なぜなら、カロリー量というのは主にたんぱく質・脂質・炭水化物といった三大栄養素の量によって決まるものであり、脂質は他二つの栄養素と比べて同じ量でも2倍以上のカロリーを含んでいるからです。
三大栄養素1gあたりのカロリー量
・たんぱく質=4kcal
・脂質=9kcal
・炭水化物=4kcal
また、牛丼はどんぶり一つで満足できてしまうために副菜(サラダなどの小鉢)を食べる機会が減り、ビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養素が不足しがちです。
これらの栄養素は摂取した三大栄養素をエネルギーへ変換するためのサポートをする他、血糖値の急上昇を予防したり低カロリーに満腹感を感じられるなど、ヘルシーな食生活には欠かせないものになっています。
このように牛丼メインの食事というのは単純に高カロリーという以外にも太りやすくなる要素があるため注意が必要です。
深夜の食べ過ぎは脂肪を溜め込みやすい
牛丼は気軽に買ってすぐ食べられるという性質上、深夜に食べられることも多いですが、夜遅くの食事は脂肪を溜め込みやすいです。
なぜなら、深夜のような寝る前の時間帯に摂取されたカロリーはエネルギーとして消費されにくい上、そのような時間帯はBMAL1(ビーマルワン)と呼ばれる脂肪を溜め込もうとするたんぱく質の働きが活発になるからです。
また、牛丼のような消化に時間のかかる食べ物を寝る前に食べるのは、内臓に負担をかけ睡眠の質を下げる他、次の日の朝食がおろそかになるなど、生活習慣が乱れ間接的に肥満の原因を作ってしまう可能性があります。
しかし、これらの説に対しては「食事内容さえ適切であれば食べる時間は太りやすさに影響しない」とする主張も多く、専門家の間でも意見が割れています。
実際、優先度の高さで言えば食事のタイミングよりも食事内容の方が重要であることは多くの専門家の間でも共通の認識となっています。
とは言っても、夜遅くの食事は健康によくないことだけは確かなので、とりあえずは早めの時間に食事を終えるよう意識するのがベターです。
ちなみに「カロリー量が同じでも食事のタイミングによって太りやすさに違いが出た」という例については以下のような研究結果が報告されており、この研究結果は査読付き科学ジャーナル「Cell Metabolism」にも掲載されています。
- 肥満体型の男女計16人を対象に、食事内容・睡眠時間・身体活動など、食事時間以外のあらゆる条件を徹底的に揃えた上で、2パターンの食生活を送ってもらった
- 食生活のパターンは「朝食8時、昼食12時、夕食17時半」と「朝食抜き、昼食12時、夕食17時半、夜食21時半」の2パターン。それぞれの食生活の間には数週間の間隔を空けた
- 実験期間中、被験者からは血液サンプルの採取・アンケート調査・その他測定を通じて様々なデータが計測された
- 実験の結果、遅い時間での食事は満腹感を知らせるホルモンであるレプチンの濃度が24時間にわたって低下する他、被験者らは実際に空腹感が強くなった。また、カロリーの燃焼速度が遅くなった
- 脂肪組織の増加を促す遺伝子と、脂肪の分解を減少させることに関する遺伝子の発現が確認された
ダイエット中の牛丼の食べ方
「ダイエット中でも牛丼が食べたい!」という場合は、シンプルに量を調節することでカロリーをコントロールするのがおすすめです。
なぜなら、牛丼のバリエーションというのは基本的にトッピングをプラスすることでしかないので、メニューを変えればカロリーが減るということはほとんどないからです。
肉の部位から変えてオリジナルの牛丼を自炊するとなれば話は変わりますが、牛丼チェーン各社のあの味を一個人がヘルシーに再現するのは現実的ではありません。
また「〜を一緒に食べれば脂肪になりにくい」といった情報を鵜呑みにし、何らかの食品の効能でカロリーを誤魔化そうとするのもオススメできません。
そういった健康効果というのはあくまでも補助的なものでしかなく、カロリーや栄養バランスを管理できなければ焼け石に水でしかありません。
本気で痩せたい・太りたくないのであれば、カロリーや栄養バランスなど目に見える数値をしっかりと管理していきましょう。
牛丼の具だけを購入する
牛丼をヘルシーにしたい場合は、牛丼の具だけを購入しご飯の量を自分で調節するのがオススメです。
なぜなら、前述した通り牛丼のカロリーの大半はご飯が占めているので、ご飯の量を調節することは大きなカロリーカットに繋がるからです。
また、牛肉は少なからずダイエットに重要なたんぱく源となるので、栄養面的にも減らす優先度はご飯の方が高いです。
具だけを購入する場合は店舗で「牛皿」のテイクアウトをするか、各社が販売している冷凍の牛丼の具を購入するかの二択となります。
個人的には、冷凍の方が買い出しの手間もなく調理が簡単なので時間の節約になり、スーパーやネット通販によっては店舗のテイクアウトよりコスパも高いのでオススメです。
実際に少なめのご飯(100g)に吉野家の牛丼の具を盛り付けた場合のカロリーは下記の通りです。
ご飯100g | 吉野家「牛丼の具」 | 合計カロリー |
156kcal | 248kcal | 404kcal |
ご飯100gというのは普通のお茶碗一杯(150g)以下の分量なのでボリューム感は減りますが、これくらいまで量を調節できれば、店舗での並盛りと比べて約230kcalをカットできます。
仮にこのカロリーカットを1ヶ月続けることができれば合計で約6900kcalの節約となりますが、これはおよそ体脂肪1kg分のカロリー(7200kcal)を制限したことになります。
当然食べ応えは変わってしまいますが、肉の量は通常通りなのでイメージよりはダイエット感も少なく、米より肉重視の方ならそこまでストレスを感じることもないかと思います。
ちなみに、冷凍の具はほぼ「つゆだく」レベルの量でつゆが入っているので、つゆが要らない方は取り除くことでカロリーをより減らすことができます。
なお、店舗で食事を済ませたいという場合は「小盛り」か「並盛りのご飯少なめ」を頼むこともできます。(※吉野家の場合)
しかし、前者の場合は肉の量も少なくなり、後者の場合は値段はそのままにご飯の量が減ります。
そして、ご飯の量も160~180g程度とカロリー制限としてはゆるめの量となってしまうので、「肉の比率が高いヘルシー牛丼をコスパ良く食べる」のであれば、やはり具材だけを買って自宅で用意するのがオススメです。
副菜の種類を増やす
「こんな量のご飯じゃ物足りなさすぎる・・・」という場合は、ヘルシーな副菜を追加して食事のかさ増しをするのがオススメです。
野菜やたんぱく質中心の食品などを追加すれば、カロリーを抑えつつも満足感が高まり、栄養バランスも整えることができます。
たとえ低カロリーかつ少量だとしても、おかずの種類を増やすと様々な味・食感・匂いを楽しめるので、イメージ以上にボリューム感が上がります。
「おかずを増やすならご飯の量を増やしたい」という方もいるかもしれませんが、食欲をコントロールするには様々な食品をバランスよく摂ることが大事です。
特にご飯のような炭水化物を摂りすぎることは血糖値の急上昇・急降下を招き、結果的に食欲を抑えにくくなってしまいます。
それに対して、食物繊維が豊富な野菜や高たんぱく質な食品を食べることは血糖値を安定させる・食欲を抑制するホルモンが分泌されるなど、ヘルシーな食生活を送る上でのメリットがたくさんあります。
炭水化物の量を増やすと一時的な満腹感を覚えやすいですが、たとえご飯の量が少なめでも栄養バランスさえ整っていれば体は後から勝手に満足してくれるものです。
まずは毎食満腹になるまで食べるという習慣を見直し、腹八分目が当たり前と感じられるようになることを目指してもらえればと思います。
まとめ
今回は主に牛丼の太りやすさについてお話ししましたが、最終的に太るか太らないかというのは食生活全体のバランスで決まります。
特盛の牛丼を食べてもその後にしっかりと帳尻合わせが出来れば太るとは限りませんし、ヘルシーな牛丼を用意してもそれ以外の食生活がテキトーであればプラマイゼロです。
「毎日牛丼を食べながら痩せたい」というのは少し厳しいかと思いますが、週2、3回程度なら割と現実的な頻度だと思います。
ちなみに、私自身は学生時代に某牛丼チェーン店でアルバイトをしていましたが、夏休みのシフト中にまかないであらゆるメニューを食べ尽くした結果、1ヶ月で5kgほど太ったことがあります。(当たり前)
育ち盛りの男子学生でさえ瞬く間に太らせるボリュームは、並大抵の覚悟ではコントロールが難しいです。
牛丼が太りやすい食品であることは間違い無いので、牛丼を食べながら体型を維持・改善しようと考えている方は、強い意志を持って食事管理に励んでもらえればと思います。