こちらの記事では
- スクワットするだけでダイエットになるの?
- 痩せるスクワットのやり方ってあるの?
といった疑問について解説しています。
スクワットというのは、数ある筋トレ種目の中でも効率的に多くの筋肉を鍛えられることから、ダイエット向きの筋トレとして紹介されることが少なくありません。
私自身も週に2日ほどはスクワットをメインとした筋トレを行なっており、スクワットを始める前と後では明らかに体質が変わったように思います。
下記画像は、私がスクワットを始める前と現在の体型を比較した写真になります。
当たり前のことですが、スクワットに限らずどんな種目であれ適度な運動をすることは確実にダイエット効果はあります。
問題はそれがどれだけ効率の良い手段なのかということであり、やらないよりマシというレベルの筋トレが「ダイエット効果があるよ!(長ーく継続して長ーい目で見ないとダメだけど)」というように紹介されることは珍しくありません。
なのでまずは、「2ヶ月」の間「スクワットをするだけ」で「見た目に違いがわかるくらい痩せる」ことはできるのか?という前提で、私個人の見解をお話ししたいと思います。
ダイエットはスクワットだけで十分なのか
冒頭でお話ししたことを前提にまず結論を言ってしまうと、「2ヶ月程度のスクワットだけで見た目を変えるほど痩せる」ことはかなり難しいと思います。
主な理由は以下の3点です。
- スクワットだけではカロリーコントロールがしにくいから
- イメージよりもずっと辛いから
- 基礎代謝アップだけで痩せるのには長い時間がかかる
それぞれの点について、順に解説していきたいと思います。
スクワットだけではカロリーをコントロールしにくい
スクワットだけで痩せるのが難しい最大の理由は、それだけでは日々のカロリーコントロールを行うのが難しいからです。
そもそも、痩せるためには日々の摂取カロリーが消費カロリーを下回る必要があります。
つまり、摂取カロリーを下げるか消費カロリーを上げる必要がある訳ですが、スクワットだけで消費できるカロリーというのは、実際の労力に対してかなり少なめです。
例として、下記のようなよくある菓子パンのカロリーをスクワットで消費する場合を考えてみます。
国立健康・栄養研究所が公開している資料や推定式を参考に計算すると、体重70kgの人がスクワットで359kcalを消費するのには約60分ほどの時間がかかります。※参考 国立健康・栄養研究所 改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」
60分やって菓子パン一個分の消費カロリーという事実をどう感じるかは人それぞれですが、仮に1ヶ月間毎日この運動を頑張ったとすると、消費されるカロリーは359×30=10,770kcalとなり、これは単純計算で体脂肪を約1.5kgほど落とせるくらいの消費カロリーとなります。
1ヶ月で−1.5kgなら2ヶ月で−3kgのダイエットになるということですが、正直言って3kgの減量では見た目の変化というのは感じにくいものです。
自分自身では多少の変化を感じることは出来るかもしれませんが、少なくとも他人から見た場合にはほとんど違いはないと思った方が良いです。
そして何より問題なのは、食事制限をしない場合にはその程度の消費カロリーはあっという間に帳消しになってしまうということです。
スクワットを行う時間に対し、上記のような菓子パンを食べ切る時間の差や労力の違いを考えたら、これは何も不思議に感じることはないと思います。
むしろ、カロリー計算を行わずに頑張ったご褒美的な食事をしてしまえば、カロリーの摂りすぎとなり逆に太ってしまう可能性すらあります。
スクワットは見た目以上に辛い
スクワットだけのカロリーコントロールが難しいのはその効率の悪さだけが原因ではありません。
なぜならスクワットは見た目以上にキツい筋トレなので、前述したように何十分も続けて行うのは現実的ではないからです。
これは実際にやってみればよくわかることなのですが、スクワットは下半身の大きな筋肉を使用するため、筋肉の疲労感が強いだけでなく、呼吸のしにくさから酸欠気味になるなど、見た目以上にしんどい筋トレです。
そもそも、スクワットのような筋トレ、いわゆる無酸素運動とは、短い時間で大きな力を発揮し筋力・筋肉量をアップさせることを主な目的としています。
それに対してウォーキングなどの有酸素運動が比較的に長時間続けやすいのは、単純に強度が低いということ以外にも、筋肉を動かすために使用するエネルギー源が違うなどの差があり、それは気合次第でどうにかなるような問題ではありません。
つまり、そもそもスクワットは長時間続けにくい=消費カロリーを稼ぎにくい運動であり、無理をしてスクワットでカロリーを消費するくらいなら、他にもっと効率的な種目があるということです。
「外を歩き回ったりするよりも、その場でしゃがんだり立ったりするだけのスクワットの方が簡単そう」と考える人は少なくないかもしれませんが、スクワットはあくまでも筋肉を増やすのが得意な種目であり、ウォーキングのような感覚で長時間行おうとすると、かなり苦しい思いをすることになるということです。
基礎代謝アップによるダイエットは時間がかかる
スクワットがダイエットに効果的だとされる理由の一つとして、筋肉量が増えることで基礎代謝がアップ=普段の消費カロリーがアップし、痩せやすい体質になるというのはよく聞く理論です。
実際、筋肉量の多い人ほど普段の消費カロリーが増えるのは事実であり、その点を踏まえると、体の中で最も大きい筋肉である足の筋肉を鍛えられるスクワットを行うのは、理にかなった選択であると言えます。
しかし、筋肉を増やすというのは痩せること以上に時間のかかる行為であり、また、基礎代謝アップによって増える消費カロリーというのは、食事に気を使わなくても痩せるようになるほどの量ではありません。
さらに、筋肉を増やすには筋トレを行った上で摂取カロリーが消費カロリーを上回る必要があり、その過程では少なからず体脂肪も増えてしまいます。
つまり、スクワットによる基礎代謝アップ効果のみで痩せるためには、筋トレと共にカロリーオーバーの食事を続け、一旦は長い時間をかけて筋肉と脂肪で体重を増やし、食事量を変えなくても自然と体が物足りなくなるくらいにムキムキの体になる必要があるということです。
いわゆる食べても食べても痩せてしまう体という風に考えれば、そんな都合の良い体になるのが難しいことは明らかだと思います。
痩せるスクワットのやり方
ここまではスクワットだけで痩せるのは難しいということをお話ししましたが、スクワットを行うこと自体はメリットばかりであり、是非とも積極的に行うべき運動ではあります。
実際、私自身は自宅で出来るスクワットを2年以上継続して行っていますが、ダイエットが成功したことにスクワットの存在は大きく関係していると感じています。
なので、ここからは私が実際にやっていてダイエット効果を感じたスクワットをいくつかご紹介したいと思います。
どれも器具などを使わず体一つでできる自重スクワットなので、まずは気軽にチャレンジしてみてもらえたらと思います。
ベーシックスクワット
最も一般的で負荷も軽めなスクワットです。
自重で行うスクワットというのはかなりの種類がありますが、まずはこのスクワットを綺麗なフォームで行えるようになると、他のスクワットに移行するのもスムーズになります。
なお今回紹介するスクワットを行う上ではゆっくりしゃがんで素早く立つということ、息を吸いながらしゃがんで吐きながら立つということは全種目に共通する基本的なポイントになっています。
行う回数に関しては10回3セットをスタートとし、慣れてきたら1セット当たりの回数を増やしてどんどん限界回数を更新していくのがオススメです。
- 足を肩幅程度に開いて立ち、手は胸の前で交差させるか、前方に向かって真っ直ぐ伸ばす
- 背中が丸まらないように意識しながら、太ももが地面と並行になる高さまでしゃがむ
- しゃがむ時はお尻から沈めていくようなイメージで、膝はつま先により前に出過ぎないようにする
参考動画
ブルガリアンスクワット
軽い補助のある状態で片足ずつ行うスクワットです。
自重で行うスクワットの負荷を強くする場合は、この種目のように片足ずつで行うのが効果的です。
このレベルでは自重といえどもそこそこの負荷がかかるため、勢いだけでやろうとしてしまうと関節を痛める可能性が高くなります。
しかし、適切なフォームで行えば通常のスクワットよりも強い刺激を筋肉に与えられるので、より1回1回を丁寧に行うことを心がけましょう。
- 膝と同じくらいの高さの台を用意し、片足を乗せて自然にしゃがめるよう台から距離を取る
- 背筋を伸ばし視線は前方へ向け、太ももが床と並行になるまでしゃがむ
- 通常のスクワットと同様に、膝はつま先より前に出過ぎないよう注意
- 足を台に乗せるだけでは補助が足りない場合は、何か安定したものに掴まりながら行う
参考動画
片足スクワット(補助あり)
ブルガリアンスクワットが安定して出来るようになったら、台に乗せていた足を前方に浮かせながらしゃがむスクワットに挑戦してみましょう。
と言ってもこの段階では完全に補助を無くすのは難しいので、片手、もしくは両手で何かに掴まりながら行うのがオススメです。
この種目は通常のスクワットと比べて倍近くの負荷がかかる上、バランスを取るために様々な筋肉を使うことになるため、消費カロリー・筋力アップ・柔軟性の向上など様々な面で効果的なスクワットになります。
しかし、当然ながら負荷の上昇とともに怪我のしやすさも上がってしまいます。
私自身もこの種目を始めたばかりの頃は、膝の関節を痛めてしまったことがありました。
そうすると日常生活にも悪影響を及ぼす上、どれだけやる気があっても筋トレが出来なくなりダイエットが停滞したりと、何一つ良いことはないので安全第一を心がけるべきです。
決して無理をせず手の補助をつけながら行ってください。
- 片足を軽く浮かせた状態で立ち、安定したものに軽く掴まりながらゆっくりとしゃがんでいく
- 膝は真っ直ぐ前方へ向けて、勢いで外側や内側に向いてしまわないよう気をつける
- しゃがむ方の足はつま先やカカトではなく足の中心(土踏まず)で踏ん張る意識を持つ
- 背中はバランスを取るために自然な状態で丸める
参考動画
補助をつけても深くしゃがむのが難しい場合は、下記動画のように椅子などを利用し浅めの片足スクワットから行うのがオススメです。
これらの種目がこなせるようになれば、更に難しいスクワットも選択肢に入るようになります。
ピストルスクワット、アームビハインドシュリンプスクワット、ドラゴンスクワットなど、自重と言っても負荷を上げようと思えば方法はまだまだいくらでもあります。
そして事実上、そのレベルのスクワットが出来るようになるには肥満体系では難しいので、ある意味自重スクワットを極めようとすれば自然と痩せることになるとも言えます。
もしも「どうしてもスクワットだけで痩せたい」「いつでもどこでも体一つで鍛えられるようになりたい」と考えている方は、効率を度外視で自重スクワットを極めてみるのも一つの選択肢かもしれません。
スクワット×食事制限は最強の自宅ダイエット
本記事ではスクワットだけで痩せることは非効率だというお話をしましたが、私自身はこれまでもずっとスクワットを行なってきましたし、これからもやめるつもりはありません。
なぜなら、引き締まった体を作り維持するには食事制限と筋トレの組み合わせこそがベストだと確信しており、スクワットは自宅で出来る筋トレとしては替えの効かない重要な種目だからです。
私は主に食事制限と自宅内で出来る筋トレでボディメイクを行なってきましたが、自宅内で出来る筋トレというのはスポーツジムのような器具を使う筋トレと比べると負荷が弱くなりがちです。
しかし、下半身の大きな筋肉を鍛えるスクワットという種目は、特別な器具がなくてもやり方次第で負荷が上げやすいため、食事制限による筋肉の減少を抑えるにはうってつけの種目でした。
そして何よりの強みは床さえあれば出来るという手軽さでした。
「家で運動をして、家で食事制限をする」という自宅内で完結するダイエットを貫くことができたのは、スクワットの存在が大きかったと思います。
もしも「外で運動をするのが嫌だからスクワットが気になっていた」という方がいたら、ぜひ自宅での食事制限と合わせて、自重スクワットにチャレンジしてもらえたらと思います。